
九州大学の研究チームは、褐色脂肪細胞を活性化させる仕組みを解明した。脂肪燃焼を促進して肥満を解消する治療法の開発が期待できるとしている。
九州大学の研究チームは、褐色脂肪細胞を活性化させる仕組みを解明した。脂肪燃焼を促進して肥満を解消する治療法の開発が期待できるとしている。 研究チームは、ミトコンドリアに存在する「ミトコンドリア転写因子A(TFAM)」というタンパク質を過剰に発現させたマウスには強い抗肥満効果があることを発見しており、その詳細な仕組みの解明を目指していた。今回は、TFAMを過剰に発現させたマウスの褐色脂肪細胞が、野生型マウスの褐色脂肪細胞よりもミトコンドリアの機能が活性化しており、より多くのエクソソームを分泌することを明らかにした。さらに、TFAMを過剰発現させたマウスの細胞を培養した液体からエクソソームを抽出して、野生型マウスの褐色脂肪細胞に加えて培養すると、褐色脂肪細胞が活性化することも分かった。 加えて、TFAMを過剰発現させたマウスの褐色脂肪細胞を野生型マウスに移植すると、高脂肪食摂取に対して著名な体重増加抑制効果が確認できたとしている。 研究成果は8月10日、アイサイエンス(iScience)誌に掲載された。(笹田)
