佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第148回
強力なANCと高音質、さらに紫外線徐菌まで?
この高機能なら割安感も? オーディオテクニカ「ATH-TWX9」を試す
2022年09月12日 15時00分更新
ドライバーは新設計で直径5.8mmと比較的小口径
振動板は5.8mmの新設計ダイナミックドライバーを搭載している。5.8mmという口径は低音の迫力よりも音の歯切れ良さや立体感を重視したものと言えるが、音質にもこの特徴が表れている。
細かいところではBluetoothのマルチポイント機能やQi規格のワイヤレス充電にも対応している。
ATH-TWX9はクアルコムのSoCを採用し、左右同時転送のQualcomm TrueWireless Mirroringにも対応している。さらに低遅延モードも搭載。BluetoothはVer 5.2で、対応コーデックはaptX Adaptive、aptX、AAC、SBCである。また、360 Reality Audioの認定モデルであり、アプリを使用して個人の耳に合わせるパーソナライズも利用できる。連続再生時間は本体のみで約6時間、充電ケース併用でさらに12.5時間延長できる。
インパクトはあるが、曲面デザインでおさまりはいいケース
ケースは独特のデザインで、未来的感覚と高級感をうまく両立させていると感じる。持った感じはずっしりしており、完全ワイヤレスイヤホンとしてはやや重く感じられる。少し大きめだが曲面デザインなのでズボンのポケットなどへの収まりは良い。
本体を取り出してみる。スリムなデザインのおかげで意外とコンパクトに感じられる。スティック型となっているため、以前レビューした「ATH-ANC300」に比べると、内部パーツの設計の容積は増えているのかもしれない。スティック型にすると片側2基備えられているマイクの間隔を離すことでできて位相差を拾いやすいという利点もある。
耳に装着してみると耳穴には深く挿入せずに外耳にフィットする感じの装着感だ。このため装着感は軽い。過去にレビューした「Pixel Buds Pro」もそうだが、耳を塞がないタイプのイヤホンも増える中、イヤーピースを深く耳穴に挿入するタイプではなくある程度外の音も聴ける製品が好まれ出しているのかもしれない。ATH-TWX9はスティック部分に引っかかりがあるため、よりよく耳にフィットする感じがある。
この装着性を生かすために本機では様々な長さのイヤーピースが添付されている。この長さを変えることで、より「パーソナライズ」された装着が可能だ。ちなみにATH-TWX9では他社製イヤーピースを使うこともできる。よく使われている「Azla SednaEarfit」のLサイズをつけてみたが、取り付けた状態でそのまま余裕でケースに収納できた。余裕を持った収納スペースにしているのは、オーディオメーカーらしい配慮と言えるかもしれない。
音楽の再生・停止はスティックに設置されたメカボタンを使う。タッチ式だと、耳に装着するため筐体を触っているうちに、不用意に再生が始まったり、求めていない機能が立ち上がったりしてしまうが、物理的に押し込む必要があるメカボタンは誤動作がしにくいため、安心感がある。他社でもメカボタン採用がもう少し増えても良いのではないだろうか。
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