
大阪大学の研究チームは、新型コロナウイルス感染症の重症患者の全血中にあるメッセンジャーRNA(mRNA)およびマイクロRNAを解析し、健常者と比べてインターフェロン(IFN)シグナルが活性化していることを発見した。インターフェロンは生体内でウイルスなどの病原体や腫瘍細胞など異物の侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質で、ウイルスの増殖抑制、免疫調整などの働きをする。
大阪大学の研究チームは、新型コロナウイルス感染症の重症患者の全血中にあるメッセンジャーRNA(mRNA)およびマイクロRNAを解析し、健常者と比べてインターフェロン(IFN)シグナルが活性化していることを発見した。インターフェロンは生体内でウイルスなどの病原体や腫瘍細胞など異物の侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質で、ウイルスの増殖抑制、免疫調整などの働きをする。 研究チームは、大阪大学医学部附属病院に入院した新型コロナウイルス感染症の重症患者の入院時の全血中からRNAを抽出し、mRNAとマイクロRNAを解析。その結果、インターフェロンに関連するmRNAやマイクロRNAが変化しており、インターフェロン・シグナル伝達経路が活性化されていることが分かった。また、「miR-5196-3p」と「miR-143-3p」の2種類のマイクロRNAの変化が、新型コロナウイルス感染症による死亡例と関連していることも明らかになったという。 研究成果は7月13日、モレキュラー・セラピー・ヌクレイック・アシッド(Molecular Therapy Nucleic Acids)誌に掲載された。今回の研究成果により、新型コロナウイルス感染症が重症化する例とそうでない例の違いが解明できる可能性があるとしている。(笹田)
