KDDIと日本航空(以下、JAL) は8月26日、ドローンの社会インフラ化に向け、1人の操縦者が複数のドローンを運航する「1対多運航」を実現する技術開発に共同で取り組むことを発表した。
なお、本取り組みは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が推進するプロジェクト「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(Realization of Advanced Air Mobility Project:ReAMoプロジェクト)」における「ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発」に対してKDDIとJALが提案を行ない8月9日に採択されたことを受けて実施するもの。12月に法施行が予定されている「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」の解禁をきっかけに、ドローンは物流・点検・警備・災害対応などの場面において、企業や自治体による新しい空のインフラとしての利活用が期待されている。
ドローンの社会実装に向け、KDDIとJALは2月に協業提携し、複数のドローンを統合的に運航管理する体制づくりや、企業・自治体向けドローン活用支援のビジネスモデル検討に共同で取り組んできた。今回、ドローン運航にかかる労働力不足の解消や業務効率化などの課題に対応すべく「1対多運航」を実現するため、本取り組みを実施するという。
本取り組みでは、KDDIとKDDIスマートドローンが共同開発しているドローンの遠隔制御・自律飛行を実現する運航管理システムに、JALが培ってきた空の移動に関わる安全管理・運航管理などの航空運送事業のオペレーション・技術・知見を組み合わせることで、ドローンの「1対多運航」を可能にする飛行制御システムの開発を進めるとともに、日本各地における実証を実施するとしている。
実施概要
・複数ドローンの飛行に対応したシステム、オペレーション要件の検討
・1対多運航に対応した飛行制御システムの開発
・飛行実証に向けた許認可の取得
・複数空域における複数ドローンの同時飛行を想定した実証
・1対多運航の事業性検証
物流と警備のユースケースにおいて、複数空域における複数ドローンの同時飛行を想定した飛行実証を行なう予定。