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2x2接続で最大通信速度2402Mbps

実効速度でWi-Fi 5の3倍速いことも!1万円台のWi-Fi 6ルーター、RT-AX3000 V2の実力

2022年08月17日 12時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

提供: ASUS JAPAN

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 一般的に、Wi-Fiルーター(無線LANルーター)はインターネットの固定回線にPCやスマホなどをつなぎ、快適に運用するための重要なピースだ。ゆえに、Wi-Fiルーターは慎重に選ぶべきで、「どんな規格に対応しているのか」、「通信速度はどのぐらい速いのか」など、最低限押さえておかなければいけない情報もある。

 現在主要なWi-Fiルーターは「Wi-Fi 4」(IEEE 802.11n)に「Wi-Fi 5」(IEEE 802.11ac)、「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)のいずれかの規格に対応している。4→5→6の順に規格が新しくなり、通信速度の上限も上昇する。Wi-Fi 5は2014年頃から採用が始まり、Wi-Fi 6は2019年以降にPCやスマホで普及し始めているので、今(2022年8月時点)ルーターを買うならWi-Fi 6対応モデルが狙い目だ。

 ちなみに、Wi-Fi 6ルーターならWi-Fi 5やWi-Fi 4にも対応してるので、やや古めのPCやスマホでも接続できる。反対に、Wi-Fi 6対応PCやスマホを使っていても、ルーターの規格が古ければその規格の通信速度が上限となるため、非常にもったいない状態と言える。そんな事態を回避すべく、一刻も早くWi-Fi 6ルーターに切り替えたい人にオススメしたいモデルが、今回紹介するASUSの「RT-AX3000 V2」だ。

ASUSのWi-Fi 6ルーター「RT-AX3000 V2」。実売価格は1万7000円前後

 実はこのモデル、2年前に筆者が検証した「RT-AX3000」のマイナーチェンジモデルである。内蔵プロセッサーのコア数は3基から4基になり、動作クロックは1.5GHz→1.7GHzにアップしている。ACアダプターの仕様もちょっと変更しているが、最大2402Mbpsの通信速度など、基本的な仕様はそのままだ。

 というわけで、今回はまだWi-Fi 6ルーターに買い替えていない人向けに、従来のWi-Fi 5ルーターとの性能差にフォーカスして検証した。イマドキのPC環境で通信速度にどの程度差が出るのか見てみよう。

現状に即したコストパフォーマンス重視のモデル

 最近のWi-Fiルーターはとにかく「カニ」っぽいモノが多い。特に上位モデルになるほどカニ度が増す。このカニの脚は無線をより効率良く送受信するためのアンテナであり、その本数が多いほど最大通信速度が速くなったり、複数機器と同時に通信しても速度が落ちにくくなる。

 RT-AX3000 V2はアンテナが4本あり、そのうち2本が5GHz帯の電波を担当し、残り2本で2.4GHz帯の電波を送受信する。これはどちらの帯域でも「2x2」という形式で接続できることを指し、2本のアンテナで2つの送信受信機能があるという意味になる。そして、5GHz帯の電波を使う時は最大2402Mbps、2.4GHz帯を使う場合は最大574Mbpsで通信できる。

 では、アンテナが8本もある同社のハイエンドモデル「RT-AX89X」の場合はどうか。5GHz帯は最大で8本のアンテナが使える(8x8)ので最大4804Mbps、2.4GHz帯はアンテナが4本までになる(4x4)ので最大1148Mbpsとなる。このように、最大通信速度はアンテナの数や仕様によって大きく変わるため、どうしても高性能なものになるほど「カニ」っぽくなってしまうのだ。

ASUSのハイエンドWi-Fi6ルーター「RT-AX89X」。そびえ立つ8本のアンテナが特徴的で、見た目が非常にカニっぽい

 とはいえ、PCやスマホも対応していなければ、その高速接続は成り立たない。PCやスマホは現状2x2接続が大半なので、いくらルーターが4x4や8x8に対応していても、最大通信速度は2x2までの速度になる。また、アンテナの数が多いほど設置スペースが大きくなり、外見のクセも強くなるのでユーザーを選ぶ製品になりがちだ。そして、当然高価にもなる。RT-AX89Xは5~6万円台だ。

 そういった意味では、RT-AX3000 V2は1万7000円前後とリーズナブルで、現在のPCやスマホは2x2接続がほとんど、という現状に即したモデルと言える。

前面にあるLEDは有線LANポートの結線状態を示すもの。また、5GHz帯および2.4GHz帯それぞれの稼働状態を目視できる

背面インターフェースは右からWANポート(インターネット回線接続用)、中央にLANポートが4つ、USB 3.2 Gen 1ポートを搭載。USB規格の表記は前モデル(RT-AX3000)のUSB 3.1 Gen 1から変更しているが、最大通信速度はどちらも5Gbpsなので実質は同じだ

前モデルのACアダプターはASUSロゴ入りのカスタム品だったが、V2になって汎用品に切り替わった。出力電圧も19Vから12Vに変更されている。汎用品に変えた理由はコストダウンだと思われる

 すでにWi-Fi 5で無線LANを構築していると、Wi-Fi 6にアップデートする意義はあまりないと考える人もいるかもしれない。しかし、Wi-Fi 6はWi-Fi 5よりも速度や電波の到達距離が向上しているだけではなく、通信のレイテンシー(遅延)や通信時のバッテリーの消耗においても優れているため、メリットは十分ある。

Wi-Fi 6対応機器は通信待機中にWi-Fi機能をスリープできるため、待機中も通電したままのWi-Fi 5(あるいはそれ以前の規格)よりもバッテリーの消耗が抑えられる。Wi-Fiの消費電力は最大7分の1に抑えられるという。※図はRT-AX3000 V2の製品ページから抜粋

複数台の機器でWi-Fiを使う場合、Wi-Fi 5では1台ずつ順番にしか通信できない(左)が、Wi-Fi 6では1回で複数台にデータを送れる(右)ため、低レイテンシー通信が可能になる。特にリアルタイム性の求められるゲームでは命綱になりそうな機能だ。※図はRT-AX3000 V2の製品ページから抜粋

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