モバイルPCなどのテクノロジー製品が、純和風のモノの影響を受けることは少なくない。今回はレッド・ドットのInnovative Product賞とオーディオ・デザイン部門のBest of Best賞を今年獲得した「teno」を国内で発売前に試した
ありあふれた製品が並ぶBluetoothスピーカーの世界に現われた
一目でわかるギミックも持った製品
今から30年も昔に発表・発売されたモバイルPCであるThinkPadは、実はその開発時点ですでに複数の他社からモバイルPCが出荷されていた。後発ゆえの差別化のためにその物理サイズやカラーリング、個性的デザインの決定に多くの時間を割いた商品だった。
紆余曲折があったが、最終的に決まったのは当時では最小サイズのジャストA4(297×210mm)でカラーはブラックのみ。そして今も受け継がれているポインティングデバイスはキーボードのGとHとBの3つのキートップの中央にある真っ赤なトラックポイントと呼ばれるIBMオリジナルのモノだった。
ThinkPadのデザインコンセプトが「漆黒と朱」をベースとする日本の「松花堂弁当」のカラーコンビネーションであることは、後続の製品発表時にも何度か引用されたことがあったのでご存じの読者も多いだろう。
今回ご紹介する「teno」はスマホと連携するBluetoothスピーカーやLED照明デバイスが巷にあふれかえっている令和時代に満を持して登場した後発製品だ。後発の宿命として誰もが納得できる目に見えるわかりやすい差別化の提案が必要だった。
tenoは当コラムで今から8年前にご紹介した「Lumiosf」(ルミオエスエフ)のデザイナーであるMax Gunawan(マックス・グナワン)さんの最新作だ。Lumiosfは筆者も発表時に手に入れ今もずっと変わらず愛用している(「本の姿をしたオシャレなLEDランタン「Lumiosf」を衝動買い!」)。
Lumiosfが持つ飽きの来ないコンセプトと多様なユーザビリティーは今回ご紹介するtenoにも確実に受け継がれている。加えてtenoはLumiosfにも負けない周囲の人を感動させ驚かせるダイナミックなギミックも備えている。

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