Web 3.0によって何が変わるのか
Web 3.0によってもたらされる恩恵として私たちに最も身近なのは、個人情報を自分で管理できるようになることだ。
たとえば、私たちは普段、調べ物をしたり、動画を見たりするためにブラウザーや検索エンジンを使う。このとき、GoogleやYahoo!といったブラウザーを提供するサービスが、ネット上での行動履歴や検索履歴を収集し、広告表示などに役立てている。広告があまりにも自分の関心に近すぎて、頭の中を覗かれているような不気味さを感じたことがある人もいるのではないだろうか。
そんな中、行動・検索履歴の収集がなく、トラッキング広告も表示されない「Brave」というブラウザが徐々に広がりを見せている。Braveはトークンを発行して資金を集めた。ブロックチェーンを組み込むことでブラウザのセキュリティも高い。また、広告を基本的にブロックしてくれる一方、ユーザー自身が閲覧するという選択をすることもできる。しかも広告を閲覧すると報酬としてBraveが発行する仮想通貨「BAT」をユーザーがもらえるという。まさにWeb 3.0にカテゴライズされるサービスだ。
このように、インターネット上で活動する際、一般のユーザーが持てる権利が今までより大きくなっていくことが期待されている。
課題は膨大な消費電力
新しい技術やシステムの登場は希望がある反面、課題もある。トークンの発行に必須なブロックチェーン技術は、膨大な量の計算をするため電力消費が激しい。ビットコインは、1回の取引で一般家庭1ヵ月分の電力を消費するという。再生可能エネルギーの活用など、解決に向けて模索している段階だが、環境への負荷を懸念する声も多い。
Web 3.0は定義すらあいまいな、まだまだ新しい概念だ。仮想通貨やNFTのように話題性のあるものが多いぶん、間違えた情報に踊らされないよう、注意して見ていくべきだろう。
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