「Boxは、マイクロソフトやグーグルのようなオフィスアプリ全般をカバーする企業になるのかと聞かれることが増えた。答えはノーである。Boxはコンテンツ管理、セキュリティ管理に特化したカテゴリーキラーを目指す」
Boxの利用が広がっている。同社の発表では、全世界11万社が導入しており、フォーチュン500社の67%が利用している。日本では1万2000社以上で採用され、日経225採用企業の67%が導入しているという。
Box Japanの古市克典社長は「日本では2年前に比べて顧客数が倍増している。様々な業界で利用されており、最近では、自動車、鉄道、金融分野での導入が増加している」とする。トヨタ自動車では知財保護やリスク回避、履歴監視による訴訟の低減にBoxを活用。日本製鉄では顧客とのデジタル取引や契約管理、セールスイネーブルメントに活用しているそうだ。
また、「ここにきて、慎重派と言われた企業や組織がBoxを導入している」とし、日本郵政や関西電力、文部科学省、埼玉県庁などの名前をあげた。これまでにはクラウドの採用には消極的だった大企業や官公庁にもBoxが広がっていることを強調する。
古市社長は「コロナ禍で意識が大きく変化してきた。クラウドの活用による日本企業の競争力向上に貢献したい」と語る。
保管から活用までライフサイクル全体を網羅するコンテンツクラウド
Boxの特徴は、同社が打ち出す「コンテンツクラウド」にある。
Boxが実現するコンテンツクラウドとは、単一のプラットフォームでコンテンツのライフサイクル全体を網羅。データの自動分類や脅威検知でコンテンツを保護し、組織内外とのリアルタイムでのコラボレーションも実現することができる。コンテンツに関わるワークフローの自動化などのほか、あらゆるアプリとの連携などにより、企業が活用するコンテンツが陥りがちな断片化を解消できる点が特徴だ。
古市社長は、企業ではクラウド活用によって、様々なメリットが生まれる一方で、課題が顕在化していることを指摘。そこにBoxが果たす役割が大きいと語る。
「多くの企業が、様々なクラウドサービスを利用している。だが、その結果、目的のコンテンツが見つけにくくなったり、どれが最新のコンテンツかがわからなくなったりといった課題が生まれている」のだ。
例えば、目的のファイルがOneDriveにあるのか、Teamsのなかにあるのかといったことが分からなくなり、机の上に散らかった紙の書類の山のなかから、苦労して1枚の書類を探し出すのと同じ状況が起きているという。「これではアナログ時代と変わらない」と指摘する。
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