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液体金属とアークエアフローファンで超冷却です

ジャイアンとつばさも惚れた! e-Sportsのための新技術が全部入った爆速ゲーミングノート「ROG Strix G17/G15」レビュー

文●写真 ジャイアン鈴木 コラム● アスキーゲーム部+つばさ 編集● ASCII

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 「ROG Strix G17/G15」は、「常識も記録も、破るためにある。」がキャッチフレーズのゲーミングノートPC。この言葉からもわかるとおり、e-Sportsで勝つことを至上命題にしたマシンで、ノートPCにおける最新技術が全部入った爆速ゲーミングノートとして仕上げられている。今回は、e-Sportsで勝つためにどのようなスペック、機能が盛り込まれているのか実機レビューをお送りする。

左が「ROG Strix G17 G713」(直販価格22万9800円~)、右が「ROG Strix G15 G513」(直販価格21万9800円~)

 さらに、「ゲーム大好き:アスキーゲーム部+リーダー=つばさ」さんにG15を1週間使ったら、スコアがUPしてしまったそうなので、後半もお楽しみに!

e-Sportsのための機能【その1】
基本スペックは妥協しない

 ROG Strix G17は17.3型、ROG Strix G15は15.6型のゲーミングノートPC。両者は兄弟モデルで、それぞれ3モデルが用意されている。

17.3型

・ROG Strix G17 G713 G713RW-R96R3070T(直販価格30万9800円)
 Win11Home/Ryzen 9 6900HX/RAM16GB/SSD1TB/RTX3070Ti

・ROG Strix G17 G713 G713RW-R76R3070T(直販価格29万9800円)
 Win11Home/Ryzen 7 6800H/RAM16GB/SSD1TB/RTX3070Ti

・ROG Strix G17 G713 G713RM-R76R3060(直販価格22万9800円)
 Win11Home/Ryzen 7 6800H/RAM16GB/SSD1TB/RTX3060

15.6型

・ROG Strix G15 G513 G513RW-R96R3070T(直販価格29万9800円)
 Win11Home/Ryzen 9 6900HX/RAM16GB/SSD1TB/RTX3070Ti

・ROG Strix G15 G513 G513RW-R76R3070T(直販価格28万9800円)
 Win11Home/Ryzen 7 6800H/RAM16GB/SSD1TB/RTX3070Ti

・ROG Strix G15 G513 G513RM-R76R3060(直販価格21万9800円)
 Win11Home/Ryzen 7 6800H/RAM16GB/SSD512GB/RTX3060

 CPUはAMDの最新プロセッサー「Ryzen 9 6900HX」(8コア16スレッド、3.3~4.9GHz)または「Ryzen 7 6800H」(8コア16スレッド、3.2~4.7GHz)を搭載。メモリー、ストレージはDDR5-4800、PCIe Gen4 x4接続SSDと最新高速タイプで土台を固めている。

 ディスクリートGPUは「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」または「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」を採用。RTX 3070 Ti搭載モデルを選択すれば、AAAタイトルも標準画質設定で快適にプレイ可能だ。

「HWiNFO64 Pro」で取得した「ROG Strix G17 G713 G713RW-R96R3070T」のシステム情報。メモリーは「Samsung M425R1GB4BB0-CQKOL」(8GB、DDR5-4800、SO-DIMM)が2枚装着されているのがわかる(※ロットによって異なる場合がある)

Ryzen 9 6900HXは8コア16スレッド、3.3~4.9GHz動作のプロセッサー。マルチコアに最適化されたアプリケーションで高いパフォーマンスを発揮する

SSDは「Micron_2450_MTFDKBA1T0TFK」が搭載されていた(※ロットによって異なる場合がある)

 ディスプレーは前述のとおり、ROG Strix G17が17.3型、ROG Strix G15が15.6型で、どちらにもWQHD液晶パネル(2560×1440ドット)を搭載しているが、リフレッシュレートはG17が240Hz、G15が165Hzだ。

 一般的なディスプレーのリフレッシュレートは60Hz。ROG Strix G17/G15のリフレッシュレートが240/165Hzなのは、ゲームで滑らかな映像を実現するため。リフレッシュレートは1秒間に画面を描き換え可能な回数、フレームレートは1秒間に画面にフレームを出力できる枚数を表わしている。

 高性能なGPUを搭載することでフレームレートが高くできても、ディスプレーのリフレッシュレートが低くては表示が追いつかない。ROG Strix G17/G15はディスクリートGPUに見合った、高速リフレッシュレートの液晶パネルを採用しているわけだ。

 試しに「ROG Strix G17 G713 G713RW-R96R3070T」で「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、2560×1440ドット、フルスクリーン)を実行したところ、平均フレームレートは105.0fps、最低フレームレートは72.5fps、最大フレームレートは139.4fpsとなった。FINAL FANTASY XV を動作させるのに十分なリフレッシュレートを備えているわけだ

 インターフェース構成は両機種でまったく同じ。背面にはUSB 3.2 Gen2 Type-C×1(データ転送対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C×1(データ転送、映像出力、本機への給電対応)、HDMI×1、有線LAN×1(2.5GBASE-T)、電源端子×1、左側面にはUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、3.5mmコンボジャックが用意されている。

 転送速度はUSB 3.2 Gen2が10Gbps、USB 3.2 Gen1が5Gbps。またUSB 3.2 Gen2 Type-Cは、背面左側がデータ転送専用で、背面右側がデータ転送、映像出力、本機への給電対応と仕様が異なる。

 というわけで背面左型のUSB 3.2 Gen2 Type-Cにはモバイルストレージ、背面右側のUSB 3.2 Gen2 Type-CにはUSB充電器やモバイルディスプレーを接続し、左側のUSB 3.2 Gen1 Type-AにはUSBメモリーや入力デバイスのドングルなどを挿すといいだろう。

これはROG Strix G17。背面にはUSB 3.2 Gen2 Type-C×1(データ転送対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C×1(データ転送、映像出力、本機への給電対応)、HDMI×1、有線LAN×1(2.5GBASE-T)、電源端子×1、左側面にはUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、3.5mmコンボジャックが用意

これはROG Strix G15。端子の配置はROG Strix G17とまったく同じだ

e-Sportsのための機能【その2】
安定して高速を維持する冷却デザイン

 ROG Strix G17/G15は単に高速なCPUとディスクリートGPUを搭載したマシンではない。CPU&GPUの性能を最大限に引き出すために、ASUSの独自技術が投入されている。ここではe-Sportsのために実装されたさまざまな工夫について解説していこう。

 ひとつ目の工夫が「ROG MUXスイッチ」で、これはGPUと映像端子を直結するための仕組みである。

 MUXスイッチを「ディスクリートGPU」モードに切り替えるとGPUと映像端子が直結され、キー入力から描画までの遅延が限りなく低く抑えられる。バッテリー駆動時間は短くなるが、ACアダプターを接続してゲームする際には有効にしておきたい。

 なお、ディスクリートGPUとCPU内蔵GPUをダイナミックに切り替える「MSHybrid」モードに切り替えると、高負荷なグラフィック処理を必要としないときはCPU内蔵GPUが使われる。バッテリー駆動時間を大幅に延長可能だ。

MUXスイッチにより、ディスクリートGPUと映像端子を直結するモードと、ディスクリートGPUとCPU内蔵GPUを併用するモードを切り替え可能

 CPUとGPUのピークパワーを最大限に引き出すための工夫が、「Thermal Grizzly社製液体金属グリス」と「アークエアフローファン」の採用である。

 液体金属グリスは熱伝導率が高く、冷却効率を向上できるが、扱いが難しい。ASUSは液体金属グリスを正確かつ適量に塗布するためのカスタム機器を導入し、また漏れを防ぐための内部フェンスを設計している。

 アークエアフローファンでは、騒音を最小限に抑えつつ、エアフローを最大限に高めるために、84枚の特殊な曲線状ブレードを採用している。

 厚みに変化を持たせたブレード形状とすることで、空気を加速する際の乱れを抑え、静音性を向上させている。従来の71枚ファンに比べてエアフローに改善が見られたとのことだ。

慎重さと正確さを求められる液体金属グリスの塗布作業には、カスタム機器が用いられている

厚みに変化を持たせたブレード形状。鳥の羽ばたきを彷彿とさせる

 効率的なエアフローを実現するために採用されたのが「3Dフローゾーン」だ。ヒンジを手前に配置することで、冷たい空気をより多く取り込み、またより多くの排気が可能となっている。

 ゲームプレイ時の快適性を実現するための工夫が「CoolZoneキーボード」である。ゲーム中につねに指を置くことになる「WASDキー」の周りに排気口を設けることで、その下のファンから空気を排出する。長時間のゲーミングセッションでも、指先の汗ばみを軽減してくれるわけだ。

ROG Strix G17/G15は背面から給気し、背面と側面から排気する余裕のあるエアフロー設計が施されている

熱い戦いに没頭していても、よく使う「WASDキー」は冷温状態を維持してくれる

 どんなに効率の高い冷却システムでもホコリやチリが詰まってしまっては台無しだ。その点、ROG Strix G17/G15には長さが短くなり、スペースが最大5%増え、エアフローが最大15%改善された「第2世代アンチダストトンネル」が採用されている。ホコリの蓄積を防ぐことで、購入したばかりの性能を長期間維持してくれるわけだ。

アンチダストトンネルが第2世代に進化。安心して長期間運用できる

 ROG Strix G17/G15のインテリジェント冷却システムのソフトウェア制御は緻密である。軽負荷時にすべてのファンをオフにする「0dBテクノロジー」が採用されており、真の静音を実現してくれる。仕事、映画、ゲームなどにより没入できるわけだ。

 もちろんCPUやGPUの温度が上昇したら、ファンは自動的に動き出す。ゲーミングノートPCではついつい最大パフォーマンスに設定しがちだが、「サイレント」モードも積極的に活用していこう。

ゲームをプレイする際には、まず「サイレント」で動かしてみて、処理性能が足りないと感じたときに「パフォーマンス」→「Turbo」と動作モードを上げていこう。

 さて、ハイパフォーマンスなCPUとGPUを搭載し、その性能を最大限に引き出すためのASUS独自技術を採用したROG Strix G17/G15はどのぐらいのパフォーマンスを発揮するのだろうか? 今回は17.3型の最上位モデル「ROG Strix G17 G713 G713RW-R96R3070T」でベンチマークを実施してみた。

 まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」で14320pts、「CINEBENCH R20」で5594pts、「CINEBENCH R15」で2345cbを記録した。「Ryzen 9 5900HX」を搭載する「ROG Strix SCAR 17」はR23が13502、R20が5260、R15が2261だったので、ROG Strix G17はその約1.06倍、約1.06倍、約1.04倍のスコアを記録したことになる。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は14320pts、R20は5594pts、R15は2345cbと爆速だった。

 3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyで10916、Fire Strikeで25842、Port Royalで6971を記録した。「NVIDIA GeForce RTX 3080 Laptop GPU」を搭載する「ROG Strix SCAR 17」はTime Spyが11159、Fire Strikeが24910、Port Royalが7036だったので、ROG Strix G17はその約0.98倍、約1.04倍、約0.99倍のスコアを記録したことになる。「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」で格上の「NVIDIA GeForce RTX 3080 Laptop GPU」に迫っているのだから、十分満足いく結果だ。

「3DMark」のTime Spyは10916

Fire Strikeは25842

Port Royalは6971

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは13825(非常に快適)

 ストレージ速度は「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で3603MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で3457MB/sとなった。今回の貸出機が搭載しているSSD「Micron_2450_MTFDKBA1T0TFK」のカタログ値が、シーケンシャルリードで3500MB/sなので、順当な結果である。

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3603.53MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は3457.35MB/s

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