「プーパッポンカレー」
松屋
690円(大盛り750円)
5月24日発売
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/220527.html
プーがパッしてポンなんだよね
タイ発祥の「プーパッポンカリー」。自分が初めて「プーパッポン」という単語を聞いたときは、ドラゴンボールのキャラクターかと思ったほど、耳なじみがない単語に思えたものです。
しかし、今ではさまざまなカレーが日本でも普及していまして、プーパッポンカリーも、カレーの一つとしてなかなかの知名度を得ていますよね。
牛めし、カレー、定食などを販売する松屋は、「プーパッポンカレー」を5月24日から販売しています。並690円、大盛750円。
その名の通り、プーパッポンカリーを松屋風にアレンジしたもの。一般的にはプーパッポン“カリー”と表記することが多いですが、松屋はプーパッポン“カレー”。
松屋フーズが展開するカレー専門店「マイカリー食堂」では2021年2月にプーパッポンカレーを発売しており、その際に全国発売への希望の声があがったとか。満を持して松屋でも展開する運びです。
プーパッポンカリーは、カニをカレー粉やチリインオイルなどで炒め、ココナッツミルクと玉子でとじた料理。「プー」がカニ、「パッ」が炒めるを意味しています。
松屋では、日本のお米に合うように松屋流にアレンジしたとのこと。カニと玉子を、ココナッツミルクと干しエビが効いたチリインオイルで包み、ピリ辛のソースの中にほのかな甘みを感じられるよう仕上げたとうたいます。
生野菜セットはプラス100円で用意。「プーパッポンソース(単品)」(570円)での販売もあります。それぞれテイクアウト可能。なお、店内飲食では単品以外みそ汁がつきますが、テイクアウトではつきません。
発売を記念してプーパッポンカレーは、発売日から5月31日までの期間限定で、ライス大盛を無料サービスの対象となります。
甲殻類の旨味もあるが、とにかく濃いぞ
実際に食べてみると、「ピリ辛のソースの中にほのかな甘みを感じられるよう仕上げた」というのは本当です。確かに、濃い味の中に、ココナッツミルクのコクと甘みが感じられる。
ただ、カレーの味が濃すぎるというか、塩気が強く感じられる……と思う人もいるでしょう。ごはんは進みますが、「塩辛いな」と感じるかもしれません。それぐらい、とにかく濃い。その力強さを、玉子とココナッツミルクのまろやかさで強引にまとめた感じ。
もっとまろやかで甘味が強いのかな、と思っていましたが、松屋のメニューとして考えれば、こういう味付けになるのもうなずけます。
プーパッポンカレーといえども、日本のお米に合うように松屋流にアレンジしたというわけですから、タイで食べられるような料理そのものではないわけです。それを前提に食べる必要があります。
主役であるカニにしても、そうです。本場タイではカニはぶつ切りで入れてあることが多いのですが(というより、「殻ごとカレーで炒めて玉子とじにする」という説明が正しいかも)、松屋のそれは、具材としてのカニは「あるといえばある」ぐらいな量でしかありません。タマネギなどのほうがたくさん入っています。その食感のバラエティはおもしろいですが。
カニの身を感じられなくはないのですが、そもそものカレーの味がかなり強いので、具としての存在を感じるのがむずかしい。とはいえ、甲殻類の旨味自体はしっかりと出ているので、そういう意味での存在感は強いです。声はすれども姿は見えず、といった感じ。
ただ、パンチのある味わいになっているので、(インディカ米ではなく)日本のお米に合うという点では、間違いなく合います。そのあたりの味作りは、さすが松屋というべきか。濃い味を玉子のふわふわ感と甲殻類の旨味でまとめあげた、パワープレイ系のカレーです。
そういえば、タイ(風の)カレーにみそ汁というのも、なんだか不思議な気持ちになりました。なんだかもう、合うとか合わないとかではないんですよね。松屋なのでみそ汁があるのは当たり前なのですが、あらかじめ考えると、けっこうな組み合わせだと思わなくもないかな……。
筆者はタイに行ったことはありませんが、タイ料理店などでプーパッポンカリーを食べたことはあります。やはり、松屋のメニューは“本場の味”とは異なります。それはそれとして、別の魅力がある……というカレーでしょう。松屋で食べるバリエーションとしてはアリだと思いました。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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