本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回はOneDrive同期レポート(OneDrive Sync Reports)に注目した。
OneDrive同期レポート機能のプレビューテストが開始されている
Microsoft 365 Appsを業務利用している組織であれば、OneDrive for Businessは従業員同士のファイル共有に欠かせない機能である。だが、これまでのOneDrive for Businessにおけるファイル同期状況は目に見えず、システム管理者の悩ませるソリューションに数えられていた。この意見をMicrosoftがくみ取ったのか分からないが、2021年12月ごろからOneDriveクライアントから取得した情報をダッシュボードにまとめるOneDrive同期レポート機能のプレビューテストが始まっている。
筆者も当初から試していたが、数日後にダッシュボードを開いても変化は確認できず。しばらく存在を忘れていたが、別件でMicrosoft 365管理センターを眺めていたら、公開直後に設定したデバイスが正しく登録されていた。OneDrive同期レポートを利用するには、Production(運用)リングもしくはInsiderリングのOneDriveクライアントが必要である。具体的にはバージョン21.078以降となるが、Deferred(遅延)リングも4月下旬にバージョン22.055.0313.0001のリリースを予定しているので、テスト範囲も広まるはずだ。また、ダッシュボードの閲覧には、全体管理者もしくはOfficeアプリ管理者のロール(役割)が必要となる。
上図ではレジストリエディターをしているが、Windows PowerShellやコマンドプロンプトに慣れている方なら、「reg.exe add HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\OneDrive /v SyncAdminReports /t REG_SZ /d <テナントキー> /f」を実行した方が早い。OneDrive同期レポートの公式ドキュメントによれば、OneDrive同期レポートがクライアントPCを認識するまで36時間、ダッシュボードに並ぶまで最大3日必要だという。そのため、使い終えると閉じてしまうノートPC類は数日放置した方がよさそうだ。
OneDrive同期レポートは、OneDrive for Businessの同期エラー発生時に原因を追跡するのが主目的のため、問題が発生していない状態で評価を下せない。だが、数百、数千を超える従業員のデバイス管理に苦慮していたシステム管理者の負担軽減につながりそうだ。Deferred(遅延)リングのロールアウトタイミングを踏まえると、OneDrive同期レポートは正式ローンチされると思われる。企業のシステム管理部門の方々には、検証を始めることをお薦めしたい。
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