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最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第38回

M1搭載iPad Air(第5世代)は「Pro」に肉薄したAir

2022年04月24日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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iPad Proへの接近ぶりをスペックで確認

 新しいiPad Airの最大の特長は、M1チップを搭載していること。言うまでもなく元はMac用に開発され、iPad Proにも採用されたチップだ。前世代からデザイン的にもiPad Proに接近し、むしろ「iPad Pro Air」と呼びたくなるようなマシンになってきたものが、さらに中身もiPad Proに近づいたことは間違いない。

 ただし、外観からも明らかなように、リアカメラはiPad Proとは異なるものが搭載されている。他にも細かな違いがあるのだろうか。現行の11インチモデルのiPad Proも加えて、新旧iPad Airのスペックを比較しておこう。

 iPad Airの最新モデル(中段)のスペック中の赤字は、iPad Air旧モデル(左段)と比較してはっきりと異なっている部分を示している。またiPad Pro(右段)の赤字は、iPad Airの最新モデルと比較して明確な違いがあるスペックだ。

 まず、新旧のiPad Airを比べると、大きな違いは2つ領域に集約されていることがわかる。1つは言うまでもなく、プロセッサーまわり。そしてもう1つは、フロントカメラだ。

 すでに述べたとおり、プロセッサーは旧モデルのA14 Bionicチップが、MacやiPad Proと同じM1チップに変更された。それにともなって、従来は非公開ながら4GBだと推定されていたメインメモリ(RAM)も、8GBに倍増している。これは、プロセッサーの純粋な処理能力の差以上のパフォーマンスの向上をもたらす可能性が高い。

 そしてもう1つの領域はフロント、つまり主にユーザー自身を撮影するディスプレイ側のカメラだ。この違いは、あまり大々的にはアナウンスされていないような気もする。簡単に言えば、画素数が従来の7MPから12MPに拡張され、ハードウェア的にはiPad Proと同等のものとなったと考えられる。細かい点を上げれば、レンズのf値は2.2から2.4になっているものの、1080pのHDビデオ撮影で、60fpsだけでなく、25および30fpsも選択できるようになった。また、iPad Pro同様に、「映画レベルのビデオ手ブレ補正」や「レンズ補正」の機能も加わった。

 その半面、メインのリアカメラについては、おそらくはファームウェアの変更によっていくつかの機能を向上させてはいるものの、基本的に旧モデルと同等のものが搭載されている。この点は、なんだか肩透かしを食ったような物足りなく感じさせる。

 次に、最新のiPad Airと現行のiPad Pro 11モデルを比較してみよう。11インチのiPad Proは、12.9インチモデルにかなり遅れて登場したため、現行がまだ第3世代だ。また最後のアップデートが2021年5月なので、ほぼ1年が経過している。それでもさすがはProモデルであり、iPad AirがM1チップ採用で追いついても、まだ多くの優位性を保っている。

 細かなスペックの比較でも、コネクターの形状は同じながら、iPad AirのUSB-Cに対してiPad ProはThunderbolt/USB 4ポートを装備する点、リアカメラとしてiPad Airとほぼ同じカメラに加えて超広角レンズ付きの10MPカメラを追加している点、ビデオ撮影でステレオ録音が可能な点などの優位点が挙げられる。

 また、パフォーマンスにまで影響を与えるようなモデル内バリエーションの豊富さもiPad Proならではのものと言える。iPad Airのストレージ容量が、新旧とも64または256GBしか選べないのに対し、iPad Proでは、128、256、512GB、さらには1または2TBまで5段階から選択できる。しかも、128、256GBモデルのRAMが8GBなのに対して、512GB以上のモデルでは2倍の16GBを搭載するのだ。これは、特に大量のデータを処理するようなアプリの場合、あるいは多くのアプリを同時に起動して使用するような際に、パフォーマンスに大きく影響する。

 とはいえ、ミニLEDを採用したLiquid Retina XDRディスプレイを採用する12.9インチモデルに比べると、通常のLEDバックライトディスプレイを採用するiPad Proの11インチモデルは、iPad Airとの差は比較的小さい。それでも最大輝度は、iPad Airの500ニトに対して600ニトを実現し、面目を保っている。

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