「Mac Studio」と「Studio Display」の登場は、Macのデスクトップモデルの再定義、一体型からの脱却、という側面があります。別の視点から今回の製品を見てみると、新しい接尾語「Studio」が登場し、Apple製品全体の中で用いられている接尾語の概念がばらけてしまっているという点も、ちょっと気になりはじめています。
そもそもの接尾語の概念
接尾語というのは、今回であればMac「Studio」のように、製品名の後ろにくる識別のための単語を指しています。
そもそもの大前提として、Appleはおそらく製品カテゴリごとに独自に採算性とマーケティングをしているでしょうから、製品間での接尾語必ずしも一致するものではないとは思います。
ただ、Apple社内はそうであっても、ユーザーとしてはそんな事は関係ありません。iPhoneもAirPodsも買うし、MacもiPadも手に入れたい、と考えるのは共通の個人であることが多く、自分はどの製品ラインがフィットするのか、1つずつ個別に考える必要があるのが現状です。
こんなにもあるAppleの接尾語
Appleが用いている接尾語(一部接頭語)の例には、こんなものがあります。
・Pro : iPhone 13 Pro / iPad Pro / AirPods Pro / Mac Pro / MacBook Pro / M1 Pro / ProDisplay XDRなど
・Max : iPhone 13 Pro Max / AirPods Max / M1 Maxなど
・Air : MacBook Air / iPad Air
・mini : iPhone 13 mini / iPad mini / Mac miniなど
・SE : iPhone SE / Apple Watch SE
・Ultra : M1 Ultra
・Studio : Mac Studio / Studio Display / Apple Watch Studio(直営店 / オンラインでのケースとバンドの組み合わせを作る仕組み)
・Magic : Magic Mouse / Magic TrackPad / Magic Keyboard
このなかで一貫して共通の概念を作っているものもあります。例えばSEは、いずれも廉価版の製品で、デザインやテクノロジーは最新ではないかも知れないが、長く、そしてより多くの顧客に訴求する製品になります。
しかしAirから雲行きが怪しくなります。MacBook Airは、単なる「MacBook」がないため、ノート型としては最も手頃な製品ですが、iPad Airは単なる「iPad」が存在するため、ミドルレンジを構成する製品となります。
miniも同様。iPhone 13 miniとMac miniはサイズが小さく価格も抑えた製品ですが、iPad miniはサイズこそ小さいものの、価格は単なる「iPad」よりだいぶ高く設定されています。
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