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AMD、3Dダイ・スタッキング技術を採用したCPU「AMD、3D V-Cacheテクノロジー搭載第3世代AMD EPYCプロセッサー」を提供開始

2022年03月22日 18時00分更新

文● ASCII

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 AMDは3月22日、3Dダイ・スタッキング技術を採用した世界初のデータセンター向けCPU「AMD 3D V-Cacheテクノロジー搭載第3世代AMD EPYCプロセッサー」(コードネーム:Milan-X)の提供開始を発表した。

 Zen 3コア・アーキテクチャーを採用し、第3世代EPYC CPUファミリーを拡張。スタッキング構成ではない同等の第3世代AMD EPYCプロセッサーと比較すると、対象となるさまざまなテクニカル・コンピューティング・ワークロード全体で最大66%のパフォーマンス向上を実現するという。

 特に大規模なデータセットに大きく依存するテクニカル・コンピューティング・ワークロードでは、キャッシュサイズ増加は性能向上に関わるが、2Dチップ設計ではCPU上に効果的に構築できるキャッシュの量に物理的な制限がある。AMD 3D V-CacheテクノロジーではAMD Zen 3コアをキャッシュ・モジュールに結合、L3の量を増加させながらレイテンシーを最小限に抑え、スループットを向上させることで物理的な課題を解決したとしている。

 第3世代EPYC CPUと同じソケットとソフトウェア互換性を持ちつつも、最新のセキュリティー機能を提供しつつ数値流体力学(CFD)や有限要素解析(FEA)、電子設計自動化(EDA)、構造解析といったテクニカル・コンピューティング・ワークロードに優れた性能を提供する。
 
 これにより、企業はデータセンターに導入するサーバー数と消費電力が削減で、総所有コスト(TCO)の節約と二酸化炭素排出量の低減。環境の持続可能性に関する目標達成に役立てることができるとしている競合他社の最新の2P 32コア・プロセッサーベースのサーバーと比較すると、必要なサーバーの推定台数を20台から10台に減らし、電力消費を49%削減可能としている。

製品モデル コア TDP
(W)
ベースクロック(GHz) 最大ブーストクロック(最大GHz) 価格(1KU)
7773X 64 280 2.20 3.50 $8,800
7573X 32 280 2.80 3.60 $5,590
7473X 24 240 2.80 3.70 $3,900
7373X 16 240 3.05 3.80 $4,185

※いずれもCCD:8、cTDP幅(W)は225-280、L3キャッシュ768MB、DDRチャンネル8

 AMD 3D V-Cacheテクノロジー搭載第3世代AMD EPYCプロセッサーは現在、Atos、Cisco、Dell Technologies、Gigabyte、HPE、Lenovo、QCT、Supermicroなど幅広いOEMパートナーから提供。また、Altair、Ansys、Cadence、Dassault Systèmes、Siemens、SynopsysなどのAMDソフトウェア・エコシステム・パートナーによっても幅広くサポートされる。
 
 導入例として、Microsoft Azure HBv3バーチャルマシン(VM)が、AMD 3D V-Cacheテクノロジーを搭載した第3世代AMD EPYCに完全にアップグレード。マイクロソフトではAMD 3D V-Cacheの追加により従来のHBv3シリーズVMと比較して主要なHPCワークロードで最大80%の性能向上が確認されているとしている。

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