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医用画像から臓器の輪郭をAIで自動抽出、広島大が開発

2022年03月15日 11時14分更新

文● MIT Technology Review Japan

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広島大学の研究チームは、深層学習を使うことで、医用画像から複数の臓器の輪郭を高精度に自動抽出するシステム「Step-wise net」を開発した。臨床において自動輪郭作成が可能になることで、業務の効率化が図れるだけでなく、放射線治療の精度向上が期待できるという。

広島大学の研究チームは、深層学習を使うことで、医用画像から複数の臓器の輪郭を高精度に自動抽出するシステム「Step-wise net」を開発した。臨床において自動輪郭作成が可能になることで、業務の効率化が図れるだけでなく、放射線治療の精度向上が期待できるという。 Step-wise netは2段階の学習を実行する。1段階目では輪郭作成の対象となる臓器周辺領域を抽出し、2段階目で抽出した領域内で臓器の輪郭を高精度に作成する。頭頸部の医用画像で同手法を用いて輪郭を作成し、精度を評価したところ、画像変形技術を用いる非人工知能(AI)の手法はもちろん、従来の深層学習を使う方法よりも、すべての臓器で最も精度が高い結果が得られた。 研究成果は2月6日に国際科学誌「コンピューターズ・イン・バイオロジー・アンド・メディシン(Computers in Biology and Medicine)に掲載された。放射線治療ではCTやMRIなどの医用画像上で腫瘍領域、正常臓器の輪郭を作成する必要がある。また、臨床試験では統一したルールに基づき輪郭作成をする必要があるため、自動輪郭作成ツールの需要は高まっている。

(中條)

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