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iPhone SE(第3世代)実機レビュー! アップルの今世紀最大のヒット商品なのでは【石川温】

2022年03月14日 22時00分更新

文● 石川 温 編集●飯島恵里子/ASCII

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iPhone SE(第3世代)標準

5G対応、A15 Bionicに注目

 今回の注目は5G対応だ。実際に5G対応のiPhone SE(第3世代)と4G対応のiPhone SE(第2世代)を持って街に出た。いずれも回線はauのpovoだ。24時間、データ使い放題で330円は1回で1GB近く使う速度測定アプリに最適なプランと言える。

iPhone SE(第2世代)標準

 iPhone SE(第3世代)のアンテナピクトを見ながらさまよい、5G表示になったところで、速度を測定してみた。

 測定完了時まで5Gが続いていれば、確かにiPhone SE(第3世代)のほうが速度は速い。ただ、途中で4Gに落ちてしまうと、iPhone SE(第2世代)のほうが速かったりしてしまう。やはり、5Gエリアといっても、4G周波数帯を転用しているところもあったり、NSA(ノンスタンドアローン)だったりと、「真の5G」とは呼べない場所ばかりといった感じだ。

 このあたりは今後、改善されてくると思われるので、気長に期待するしかなさそうだ。

iPhone SE(第3世代)デジタルズーム

iPhone SE(第2世代)デジタルズーム

 もうひとつの注目がA15 Bionicだ。

 iPhone 13シリーズと同じく最新のチップが搭載されている。ただ、iPhone SE(第3世代)は4.7インチということで、A15 Bionicの実力を遺憾なく発揮するようなアプリをゴリゴリ使うかと言えば、ちょっと違うような気がしている。

 iPhone SE(第3世代)のメインユーザーはどちらかというと「最新の機能を追い求めると言うよりも、普段、何も考えず基本機能を安心して使いたい」という人なのではないだろうか。電話、SNS、メール、メッセージ、動画再生といった基本機能を使うのであれば、A15 Bionicは充分すぎるぐらいだ。

 iPhone SE(第3世代)にA15 Bionicを搭載するメリットは「製品寿命の長さ」だ。

 iOS15は6年前に発売したiPhone 6sにも対応する。つまり、今年、iPhone SE(第3世代)がA15 Bionicを載せたということは、今後、数年、最新のiOSを載せられるという可能性が高いというわけだ。

iPhone SE(第3世代)夜景

iPhone SE(第2世代)夜景

 筆者は5年前、子どもが生まれた際に、当時66歳だった母親にスマートフォンをプレゼントした。孫の写真をLINEで受け取れるようにするためだ。安価なAndroidをあげたのだが、すぐにOSアップデートがされなくなり、古い状態で使わざるを得なかった。

 しかし、2020年にiPhone SE(第2世代)が登場。さっそく、プレゼントして、いまでもiOS 15で使っているし、今後もしばらく使い続けられるだろう。

 今年、auを皮切りにソフトバンク、NTTドコモでも今後数年で3Gサービスが終了していく。また、ガラケーを使っているシニア層も多いことだろう。iPhone SE(第3世代)であれば、そうしたユーザーでも安心してガラケーから乗り換え、今後、数年間、OSのアップデート切れを気にすることなく使い続けられるだろう。

 iPhone SE(第3世代)は、派手な機能こそないが、幅広い人に勧められる万能なiPhoneといえるだろう。

 

筆者紹介――石川 温

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)、『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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