交通誘導警備業界が抱える課題
VOLLMONTホールディングスが、東京ビッグサイトで開催されたセキュリティーと安全管理の総合展示会「SECURITY SHOW」に出展。歩行者誘導警備ロボット「Comune+ model-1(コミューンプラス モデルワン)」や、片側交互通行誘導ロボット「Comune+ model-2(コミューンプラス モデルツー)」のコンセプトモデルなど、同社の製品を紹介した。
VOLLMONTホールディングスは、1985年7月に前身企業「西東京セキュリティサービス」として設立。東京都公安委員会の認定を受け、1985年8月から警備会社としての営業をスタートした。2005年6月には、現在の社名となるVOLLMONTホールディングスに社名変更。各支社を独立法人として改組している。
同社は、「交通誘導警備業界は大きな問題に直面している」とコメントする。交通誘導警備の業務は、常に屋外で勤務しなければならないことに加え、夜間などは交通事故の危険性もある。さらに、人出不足や警備員の全体的な高齢化という課題もある。
Comune+ model-1と、Comune+ model-2は、こうした交通誘導警備業界の課題を解決するために開発された製品だという。その特徴を見ていこう。
VOLLMONTが開発したComune+とは?
Comune+ model-1は、工事現場を通行する歩行者に対しての注意喚起を主な機能とした歩行者誘導システムだ。HDR仕様のカメラによる画像認識技術とAIにより、Comune+ model-1の側を通る歩行者が子どもなのか、成人なのか、あるいは通行に手助けが必要な人か否かを瞬時に判断。対象者に応じて、メッセージを使い分けて話しかることができる。
外観は、白を基調とし、レッドとイエロー、スカイブルーをアクセントに用いた、かわいらしいロボットの姿。“お腹”にあたる部分には、大型のディスプレーを搭載し、情報を視覚で伝えることも可能だ。歩行者が待っている間に感じるストレスを軽減するために、人間味のあるセリフで語りかける機能も備えている。同社では、製品に備わっている機能を応用して、交通情報や、迂回路情報を歩行者に伝えたり、サイネージを使用したコンテンツへの転用も検討しているという。
一方のComune+ model-2は、スマートシティーの実現を念頭に置いて開発された片側交互通行誘導ロボットだ。AI、センシング技術、画像認識技術を用いて、車両の片側交互通行を最適なタイミングで制御する。
交通情報はAIが自己学習し、膨大なシミュレーションを通じ、不測の事態にも対応できるように設計されているという。筐体はクマのキャラクターをモチーフにしているが、全面がディスプレーで構成されており、視認性の良いシグナルやメッセージを表示できる。
今回はコンセプトモデルとしての展示だったが、今後、道路の形状や道幅、センターラインの位置、停止線の位置などを自動で認識する道路情報のセグメンテーション機能を向上させ、都心部の複雑な工事現場にも対応できる設計を目指していくとする。また、現場で収集したビッグデータを、クラウドベースで管理し、渋滞発生予測や工事工程に役立てる機能の搭載も目指す。