赤字だった日本ブランドを子会社化して再建
戴会長兼CEOへの単独インタビューの際に、「戴流の経営手法とはなにか」と聞いたことがあった。
だが、その際には、即答するように、「戴流の経営手法はない」と断言した。
とはいえ、多くの人の目には、シャープ再建には、戴流経営が大きな役割を果たしたと映っているだろう。
「私は社長に就任した際に、シャープの創業の精神である『誠意と創意』を継承し、様々な独自商品やサービスを提供し続けることで、シャープの栄光を再び取り戻すことを自らの使命とし、経営基本方針に『輝けるグローバルブランド』を目指すことを掲げた。その後、シャープのロゴに『Be Original.』を追加したのは、私の決心の証でもあった」とする。
郭台銘氏による鴻海流の経営、早川徳次氏によるシャープ流の経営、そして、グローバルで戦った経験と、若いときには日本で働いた経験を持ち、日本の企業のやり方も熟知する戴氏の経験が組み合わせたのものが「戴流」の経営手法だといえるだろう。
新CEOとなる呉柏勲常務執行役員については、「主に海外事業で活躍し、私が絶大な信頼を置く幹部の一人である。必ずやシャープを輝けるグローバルブランドへと導いてくれることを確信している」と述べている。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ