応から拓へ
覚道社長兼CEOは、2021年のDynabookの状況を、「応」という漢字一文字で表した。
「外部環境として、原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱、新型コロナウイルスの再拡大など、厳しい状況が続いた。ウィズコロナ時代となって、新たなビジネスチャンスが生まるのではないかと期待したが、混乱が続き、ビジネスも影響を受け続け、その対応に追われていた。変化への対応の『応』、その場の変化に応じて適切な処置をとる『応変』という意味もある。シャープグループのシナジーを活用した調達、事業変革スピードの加速、クラウド基盤の戦略の高度化により、継続的な製品、サービスの拡充を図り、さらに海外の事業も伸長した。これまでの3年の取り組みが順調に成果をあげている。事業環境が厳しいなかでも堅調に推移している」と総括する。
それに対して、2022年の漢字として、「拓」をあげた。
「開拓の『拓』であり、『ひらく』とも読む。2021年は、ウィズコロナとの環境ともいえず、変化に対応することに捉われた1年であったが、2022年はウィズコロナが定着し、毎日の生活やビジネスの在り方を前向きに変えていく年になる。それに応じて、Dynabookに対しても、様々なビジネスチャンスが生まれることになる。それを切り拓くという意味で選んだ漢字である」とする。
また、「2022年は、さらなる高みを狙い、次のステップへと飛躍していく」とし、「新たなデバイスや新たなサービス、ソリューションの創出を含めて、顧客や取引先の支持を得ながら持続的利益を創出する企業としての取り組みを加速する。経営力を一層高め、事業拡大にまい進したい」とする。そして、「Dynabookは今年も魅力的なデバイスとソリューションで、価値ある提案を続けていく」と宣言する。
「拓」という言葉に示されたように、どんな製品やソリューションによって、新たな市場を開拓していくのか。PC以外にも注目しておきたい1年になる。
この連載の記事
-
第595回
ビジネス
DX銘柄2024発表、進行する日本のDX、しかし米国よりもここが足りない!! -
第594回
ビジネス
自動車工業会は、今年もJapan Mobility Showを開催、前身は東京モーターショー -
第593回
ビジネス
赤字が続くJDI、頼みの綱は次世代有機EL「eLEAP」、ついに量産へ -
第592回
ビジネス
まずは現場を知ること、人事部門出身の社長が続くダイキン -
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? -
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ - この連載の一覧へ