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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第164回

HIKAKINさんが手に入れた「NFT」とは

2022年01月31日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 YouTuberのHIKAKINさんのもとに、YouTube社からNFT(Non-fungible Token、非代替性トークン)のアート作品が届いた。

 このネットニュースが気になって動画を見てみると、You Tube社から、メキシコのアーティスト、ヴァレリア・モンテロさんが制作したデジタルアートがHIKAKINさんに贈られていた。

 YouTube社はこのところ、世界中の著名YouTuberに対して、登録者1000万人突破などの節目にNFTアートを送っているようだ。

 同じ週に、YouTube社をめぐって、NFTに関連する話題がもう一つあった。

 2022年1月25日のロイターの報道によると、YouTube社は動画投稿者がNFTを活用できる機能の実装を検討しているという。

 NFTはこれまで、アーティストやスポーツ選手といった著名人、仮想通貨(暗号資産)関連の企業など「尖った人たち」が関心を持つ領域に見えていたが、少しずつ普通の暮らしに近づいてきたことを実感させる動きだ。

”唯一のデータ”をどう活用するか

 NFTは、一言で説明するなら、ブロックチェーン技術を使って、データがオリジナルであることを証明する認証技術だ。

 たとえば、HIKAKINさんのもとに届いた作品は、電源につなぐと、液晶画面にデジタルアートが表示される。

 「Better Together 一緒ならもっとうまく行く」というタイトルがつけられたこの作品は、NFTを使ってオリジナルであることが証明されている。

 No.140という番号も振られているため、複数の「オリジナル」の作品が存在し、著名なYouTuberたちに贈られたのだろうと想像できる。

 「このデータはオリジナルです」と証明する技術は、さまざまな分野での応用が期待されているが、いちはやく利用が広がり始めたのはアートの世界だ。

 2021年3月には、「Beeple」の名で知られるマイク・ウィンケルマン(Mike Winkelmann)さんのデジタルアート作品が、約75億円で落札され、世界中で話題になった。

 HIKAKINさんが所有者となったヴァレリア・モンテロさんの「Better Together」も将来、モンテロさんの作品の価値が上がった場合、驚くような高額で取引されることがあるかもしれない。

YouTubeの具体的な方針は?

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