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スモークを使ってエアフロー検証!? STORM工場の徹底した品質管理のこだわりを垣間見た

文●高橋佑司 編集● ASCII

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舞台用スモーク装置を使ってエアフロー検証

 さらに今回、製品テストにおける同社の面白い試みを紹介してもらった。スモーク発生装置を用いて、一定量のスモークをどれだけの時間で吸い出せるか、という独特なエアフローの検証方法だ。

スモークを用いてエアフローを検証する装置

スイッチをいれると一定量のスモークが射出される装置。スモークはPCパーツにダメージを与えない成分を使用している

 箱の中に充満させたスモークを、吸気→排気でどれだけ早く外に出せるかテストしており、これにより、エアフローを可視化しているわけだ。スモークは舞台装置に使用されるものとのことで、PC内部にスモークが入っても、問題なく動作するようになっている。

箱の中に充満させたスモークを吸い出す時間で、PCのエアフロー効率を検証する

 PCにおいて、パーツから発する熱を冷却するためには、冷たい外気を取り込むと同時に暖められた内部の空気を外に排出することが重要。そのためには、ファンの数などはもちろんだが、PCケース内部の空気がしっかり循環できるようにパーツの大きさや配置は考えておく必要がある。

 昨今はPCパーツの高性能化に伴い、ビデオカードやマザーボード、CPUクーラーなどが大型化している場合も多い。そのため、十分に空気の通り道ができているのかしっかりと見極める必要がある。STORMでは、こうしたテストを通じ、事前に十分なエアフローが確保できているのか確認しているわけだ。下記の動画は、実際のテストの様子。

 今回、2つの構成でテストした動画を撮影してもらった。下の動画のPCのほうがスモークを早く排気できているが、これは性能の良し悪しというより、それぞれのコンセプトの違いによる部分も大きい。例えば、フロントパネルがメッシュになったPCケースなどは空気の通りがいいが、そのぶん高負荷時のファンの音などは外に漏れやすくなっている。静音性重視のPCケースや見た目重視のPCケースなどもあるため、一概にスモークの排気時間だけで構成の良し悪しを比較はできない。

 そこで同社では、PCケースごとにスモークの排出時間に基準を設け、十分なエアフローが確保できているのかを判断している。この基準は、長年BTO PCを組み上げて蓄積されたノウハウから導かれている。

 PCのパフォーマンスというとCPUやGPUなどパーツのスペックに目がいきがちだが、パフォーマンスの安定性や故障のリスクを低減する上で、内部の冷却は非常に重要な要素だ。設計的に“理論上問題ない”状態で製品を出荷するのは基本ではあるが、STORMでは現場でもこうしたテストを重ね、品質管理を徹底しているのが見て取れる。

より安心できる製品を目指し、徹底した品質管理を

 風の流れは目に見えないため、エアフローの良し悪しを実際に測るのはなかなか難しい。そうしたテストもしっかりと行っているのは、STORM(嵐)の名を冠する同社らしいともいえる。

 11月に発売した最新CPU、第12世代インテルCoreプロセッサーは、最上位モデル「Core i9-12900K」のMaximum Turbo Power(インテル推奨のブースト時の消費電力)が241Wとなる。

 これは今までの世代でPL2と呼ばれていた値だが、以前まではごく短時間引き上げられる数値だったものが、第12世代Coreでは可能な限り持続するように定義されている。高消費電力の時間が長く続くということは、それだけ熱を発することでもあり、ますますPCの冷却性能が重要になっている。

第12世代Coreやそれに対応するZ690マザーボードといった最新パーツももちろん扱っている。高性能なパーツほど、冷却性が重要になってくる

 そうした中でも、安定したパフォーマンスを発揮できるようにしっかりと検証を行っているのがSTORMだ。安心して使えるPCが欲しいなら、ぜひSTORMのゲーミングPCをチェックしてみてほしい。

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