トヨクモの新プロダクト「トヨクモ スケジューラー」は、外部との日程調整機能は確かに便利だが、それ以外はある意味とてもフツーなスケジューラーだ。なにかと多機能なビジネスクラウドが業界を賑わす中、あえて「こういうのでいいんだよ」を目指した製品のコンセプトについてトッティことトヨクモの田里友彦氏に話を聞いた。(以下、敬称略 インタビュアー ASCII編集部 大谷イビサ)
安否確認サービスとkintone連携に続く3本目の柱
大谷:改めて読者のみなさんにトヨクモの会社概要を説明してもらえますか?
田里:もともとサイボウズスタートアップスというサイボウズの子会社からスタートし、その後、経営陣による事業買収(MBO:Management BuyOut)で独立し、社名も2019年にトヨクモに変更しました。
今はパッケージソフトの会社としてCMでおなじみの安否確認サービスとkintoneの連携サービスを手がけています。
大谷:kintone hiveでもトヨクモ製品を愛用しているユーザーよく出てきますもんね。
田里:kintone連携に関してはフォーム作成ツールの「フォームブリッジ」や帳票出力サービス「プリントクリエイター」など全部で6つのサービスを手がけており、おかげさまで6,000契約を超えました。これは、kintoneユーザーのおおよそ1/4程度が弊社のサービスのユーザーであることを意味します。
大谷:kintone連携サービスはさまざまなプレイヤーがいますが、リードできたのはなぜだと思いますか?
田里:やはりサイボウズ子会社というスタートダッシュがよかったと感じています。kintoneの勘所や悩み所も早い段階で理解できますし、それにあわせてプロダクトもスピーディにリリースできました。
でも、もともとはプロダクトをいっぱい出していたんです。モバイル端末管理(MDM)やBYODツール、動画配信、採用支援サービスなど。
大谷:さすがに統一感なさ過ぎですね(笑)。
田里:そうなんです。結局、多くのサービスはクローズして、2013年から安否確認サービスとkintone関連サービスの2本柱でした。だから、今回のトヨクモ スケジューラーはすごく久しぶりの独立した新サービスなんです。第三の事業の柱として、イチから開発を進めました。
多機能グループウェアの追従をするつもりはない
大谷:新製品として発表したトヨクモ スケジューラーですが、けっこうコモディティ化されたジャンルの製品ですよね。Googleカレンダーはけっこう定番ですし、サイボウズ Officeのようなグループウェアの機能としても盛り込まれています。正直、売れるのかと心配になるのですが、あえて突っ込んでいった背景を教えてください。
田里:説明の仕方がとても難しいのですが、kintoneパートナーとしてお客さまからは既存のグループウェアの不満を聞くことが多いのです。多機能化してしまったグループウェアはうまく使いこなせない方も多いし、すべての操作をスマホでやりたいという声にも応えられていません。
そういった声を踏まえて、再設計したのがトヨクモ スケジューラーです。高機能・高価格に進むトップベンダーに対して、とにかくシンプルに、安く提供し、多くのユーザーに使ってもらうのが目的です。だから、サイボウズ Officeとユーザーはあまりかぶらないし、明確な切り分けができているんです。
大谷:あとで紹介してもらいますが、確かに機能的にはとてもシンプルですよね。
田里:はい。トヨクモ スケジューラーは多機能を目指さないし、グループウェアの新しい概念を生み出していくつもりもない。社内外とのスケジュールと会議室をワンストップでおさえるという当たり前のことが簡単にできる唯一のスケジューラーだと思っています。
社外の人との日程調整は”シェアして待つだけ”
大谷:さっそくトヨクモ スケジューラーの機能紹介をお願いします。
田里:「個人」「グループ」「空き時間」のビューが用意されており、個人・グループのスケジュールを管理できるほか、社内・社外の人との日程調整機能を持っています。スマホですべての機能を利用でき、予定とあわせて、いっしょに会議室もおさえられます。基本はこれだけのシンプルなサービスです。
大谷:シンプルというか、本当にフツーのスケジューラーなんですね。
田里:はい。簡易的なToDo管理は可能ですが、ファイル管理や掲示板、ワークフロー、案件管理、電話メモなどグループウェアに搭載されている機能は持っていません。ただ、すべての操作はスマホから可能です。
大谷:特定の操作はPCでしかできないという製品も多いですから、スマホで全部使えるのは確かにうれしいですね。
田里:はい。既存のグループウェアにはない機能が社外の人との日程調整機能ですね。
社外の人との日程調整ってけっこう大変で、実際に予定を登録するまでに実際はかなりのクリックが必要になります。これに対して、トヨクモ スケジューラーは日程調整ページをシェアして、空き時間に予定を入れてもらうことができます。日程調整ページは面接用やパートナー用打ち合わせ用など、いくつでも作れます。
トヨクモ スケジューラーは日程調整ページを作成したら、そのページを”シェアして待つだけ”でスケジュール調整が完了します。従来、日程候補をいくつも出して、メールを何往復もしてやっと日程調整が完了していたことを考えると、日程調整の手間やストレスがいっきに削減できることが分かると思います。
今まで、日程調整サービスとしてはYouCanBook.meやeeasyなどがありましたが、社内スケジュールや会議室予約といっしょに備えているサービスはあまりないと思います。
サイボウズ kintoneや Google Meet、Zoomとも連携
大谷:ほかにはどんな機能がありますか?
田里:サイボウズ製品とも連携可能です。cybozu.comのユーザー情報をそのまま登録したり、kintoneのデータベースから情報を引っ張ってくることができます。たとえば、スケジュールに登録した訪問先として、kintoneの契約管理アプリからデータを引っ張ってくることが可能です。
大谷:サイボウズにケンカを売っているサービスかと思いきや(笑)、サイボウズ製品ときちんと連携するんですよね。
田里:はい、kintoneと連携することで、トヨクモ スケジューラーはより便利にご活用いただけると思っています。あとは、ZoomやGoogle Meetとの連携が可能です。ミーティングのURLを自動で生成できるので、URL生成の手間や、コピペといったミスやど忘れが起きがちな業務が自動化されます。今後はGoogleカレンダーとの連携も進めていく予定です。
IT活用したいユーザーに幅広く使ってもらいたい
大谷:気になるお値段を教えてください。
田里:10ユーザー以下は無料、スタンダードプランは1ユーザーあたり200円/月で、基本はクレジットカード払いのみです。100名以上を超える企業向けのビジネスプランもあり、最大300名で5万円/月という価格帯です。
大谷:最近のビジネスクラウドは月額数千円が多いので、コンセプトの通り、敷居が低いですね。どういったユーザーがターゲットですか?
田里:まずは必要十分な機能を持つスケジューラーを安価に使いたいというアーリーアダプターがターゲットになると思います。最終的にはIT導入や活用を考える企業にとって、最初に使ってもらうスケジューラーにしたいです。
とはいえ、社外の人との日程調整機能が売りなので、もっと簡単に日程調整をしたいというユーザーにはオススメしたいです。アポが多い営業マンや、面接を沢山こなす人事の方だけでなく、士業やサロンなど、外部から予定を入れられる可能性のある一人オーナーのビジネスにもいいかもしれません。
大谷:競合製品はありますか?
田里:グループウェアというより、前述したような日程調整サービスの方があたってくると思います。「機能的にこれで充分」と感じるスケジューラーになっているので、ぜひ多くの人にまずは試してもらいたいと思います。
大谷:ありがとうございます!
とにかくシンプルで安価というトヨクモ スケジューラーが目指すモノは理解いただけただろうか? 確かに昨今のビジネスクラウドは機能も豊富だが、多くのユーザーが使いこなすのに難渋している。また、歴史の古いグループウェアでスマホに最適化されている製品はなかなか少ないのも実態だ。テレワークで会社と外出先、自宅などの働く場所の区別、そしてパートナーや取引先、顧客といった組織の壁など、境界がどんどん消失しつつある今だからこそ、クラウド前提としたスケジューラーの再設計というのは、今こそ必要なのかもしれない。
まさに「これでいいじゃないか」というトヨクモ スケジューラー。まずは30日間の無料利用から始めよう。数多くのビジネスクラウドを使いまくっている柳谷智宣によるレビューも掲出するので、お楽しみ。
(提供:トヨクモ)
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