アナログ文字盤の良さを感じつつ「機能」を愉しむ
W770におけるLINE通知機能は、スマートフォンとの接続がうまくできている状態ならば、便利に使えた。特に、ディスプレイに通知内容が表示されないことは、W770ならではの特徴だ。ウォッチを第3者にみられても針の動きや鳴動がLINEの通知によるものだとはまず気付かれない。プライバシーを守るという意味では役に立つ仕様である。一方、ユーザー自身も、そのLINE通知が誰からのどんな内容なのか、ウォッチ側では把握できないため、結局通知があったときにスマートフォンで確認しなくてはいけないという手間はあると理解しておきたい。
ちなみに、LINEのメッセージごとに通知の有無をカスタマイズすることは、ウォッチ側の設定ではできない。快適に使うには、あくまで「LINE」側でこうした設定を調整しておくことで、不要な通知を減らすことが重要だろう。
また、W770は一定時間が経過することでスマートフォンとの接続がオフになる特性を持っている。発電量にもよるが、最大の連続接続時間は6時間まで。接続操作をせずに、しばらく時間が経過したあとには、通知をウォッチで確認できないので、うっかりメッセージを見落とすようなことがないようには気をつけたい。こうした視点では、定期的に2時位置のボタンを操作し、接続を実行すると良いだろう。
どうしても一手間かかる印象は否めないが、それも含めてW770という製品の「味」だ。仕組みを理解し、うっかりミスさえ防げれば、アナログ文字盤の良さを感じつつ、こうした管理操作自体も楽しめると思う。
筆者紹介――井上 晃
フリーライター。スマートフォンを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway