データセンター向けSSDで培った高性能ヒートシンク搭載で冷却効果も抜群
PS5搭載に準拠した「Samsung SSD 980 PRO with Heatsink」はPS5内蔵SSDと遜色ないゲームロード時間
本体ストレージと980 PRO ヒートシンクモデルを比較
ゲームロード時間はほとんど同じ
では、本体ストレージと性能的に違いがあるのか検証してみよう。今回検証で使ったゲームは、SIEの「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」(PS5版/40.43GB)、「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」(PS5版/69.26GB)、「Ghost of Tsushima Director's Cut」(PS5版/59.10GB)の人気ゲーム3本。
それぞれPS5内蔵SSDと増設した980 PRO ヒートシンクモデルで、ゲームの起動時間とゲームを開始するまでのゲームロード時間をストップウォッチで手動計測。3回計測して平均を取ったものとした。なお、起動時間は初めて起動したときだけオープニングクレジットが表示されるため、2度目以降の起動で計測している。
結果は、ゲームによって若干980 PRO ヒートシンクモデルのほうが速いものもあるが、ほぼ誤差程度。本体SSDと遜色なくプレイできることがわかる。
では、PS4のゲームはどうだろうか? 「Ghost of Tsushima」(PS4版:40.83GB)でも検証してみた。
結果は、PS5ゲームと同様に980 PRO ヒートシンクモデルのほうが若干速くなっているが、これも誤差程度と考えていいだろう。同じゲームでもPS5版とPS4版ではロード時間が圧倒的に違うので、PS5版があればそちらでプレイすることをオススメする。
続いて本体SSDから980 PRO ヒートシンクモデルへの移動時間(from PS5 SSD)、980 PRO ヒートシンクモデルから本体SSDへの移動時間(to PS5 SSD)も計測した。
結果は、意外なことに980 PRO ヒートシンクモデルへの移動、つまり980 PRO ヒートシンクモデルへの書き込みは短時間で済み、本体SSDへの移動(980 PRO ヒートシンクモデルとしては読み取り)は5倍以上の時間がかかった。
速かった980 PRO ヒートシンクモデルへの移動でもゲームのサイズから計算すると約1190MB/秒程度で、ランダムライトだとしても性能的にはそこまで低くないはず。やはりシステム的になんらかの足かせや特殊なことをやっているようだ。
ただ、外付け拡張SSDを接続してゲームを移動したときの遅さに比べれば、980 PRO ヒートシンクモデルへの移動で1/10程度、本体SSDへの移動で半分の時間で済んでいる。それに、一度移動したゲームは、そう本体へ戻すこともないだろうし、約70GBでも1分かからないことを考えれば、かなり実用的だと言えよう。
さらに今回は、動作中の温度にも注目してみた。計測にはサーミスタセンサー式温度計を使用。センサーを980 PRO ヒートシンクモデルのヒートシンクに貼り付けて温度をチェックした。
結果としては、PS5を起動しない状態で25.6度、起動してアイドリング状態で44~46度、980 PRO ヒートシンクモデルにインストールした状態でゲームを30分ほどプレイしたとき、最大で52.1度だった。このときのゲームは「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」だったが、「DEATH STRANDING」では49.6度、「Ghost of Tsushima」だと51.2度とゲームによって多少のばらつきが見られた。
また、ゲームの移動中で最大51.2度、ゲームをダウンロードして直接980 PRO ヒートシンクモデルへインストールしたときでも、最大48.9度に留まっている。
コントローラーやNANDチップに直接センサーを貼り付けての計測ではないので、SSD本体はもう少し温度が高いと推測されるが、それでも十分にヒートシンクが効果を発揮して温度上昇を抑えていると言えよう。また、コントローラーの熱管理対策やPS5側も負荷を掛けすぎない仕様になっている可能性もあり、それらも要因の1つと考えられる。
PS5用に買ってすぐ装着できて初心者も安心
「Samsung SSD 980 PRO with Heatsink」は、PS5の拡張スロットへのストレージ増設用途として、すべての要件を満たしており、買ってすぐに装着して利用できるため、自作PCユーザーのようなNVMe SSDの扱いに長けていない初心者でも、簡単に利用できる製品と言えよう。しかも検証結果のとおり、温度上昇も抑えられ安定動作するので、安心して利用できるメリットも大きい。
実売価格は1TBモデルが2万3480円、2TBモデルが3万9980円。PS5の本体SSD容量がそろそろ逼迫してきている人は多いと思うが、外付け拡張SSDにゲームを逃がすより、いつでもプレイできる拡張スロットへのSSD装着が断然オススメ。予算に余裕があれば2TBを狙いたいところだが、品薄になることも予想されるので、どちらでも見つけたらすぐに確保することをオススメする。
2021年11月12日追記
あらためて量産機で計測したところ、システムソフトウェアバージョン21.02-04.03.00において、PS5に使用できるM.2 SSD の要件を満たす5500MB/sを超えるパフォーマンスを確認できた。量産機での結果は以下の通りだ。
「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」のゲームロード時間のみPS5本体SSDの方が速かったが、それ以外は980 PRO ヒートシンクモデルが速い結果となった。
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