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日本マイクロソフトがパートナー戦略を披露 ビジネスの当事者がITを使いこなす動きも予見

2021年10月14日 12時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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 日本マイクロソフトは、オンラインで開催している「Microsoft Japan Digital Days」において、2022年度のパートナービジネス戦略を発表した。DXにおける3つの注力分野、それを支えるパートナー施策を披露するとともに、ビジネスの当事者がシステムを開発していく今後の市場動向についても説明した。

日本マイクロソフト 執行役員常務 パートナー事業本部長の檜山太郎氏

インダストリー、SMB、ガバメントの3領域でDXを推進

 日本マイクロソフト 執行役員常務 パートナー事業本部長の檜山太郎氏は、「新たなビジネス創造を実現するインダストリーDXの推進」「SMB(中堅中小企業)市場におけるクラウド/DXグロースプランの加速」「JDA(デジタル庁)発足をトリガーにした新たなパートナー協業によるガバメントDXの実現」の3つのDXを、注力領域に挙げた。

3つの注力領域

 インダストリーDXの推進においては、「製造、小売、金融など、業界特有の課題に取り組んでいるパートナー組織との連携を強化し、ビジネス領域とIT領域が分断されることがないソリューション提案を支援し、パートナーの成功体験が業界全体に広がるようにサポートしていく」としたほか、「各業界のユーザーシナリオをもとに、リファレンスアーキテクチャー環境を整備し、パートナー同士が協業する環境も提供する。たとえば、製造業全体のDXシナリオを描いているパートナーのソリューションに対して、実績があるスタートアップパートナーの一部ソリューションを適用。その成功パターンをもとに、両社が他の製造業にも展開を進めるといった、オーケストレーションともいえる取り組みが、これから大切になる」などと述べた。

 また、SMB向けDXについては、「クラウド化が本格化しつつあるSMB市場で実績を持つ全国のパートナー各社が、デバイスとともに、Microsoft 365の販売を促進するための支援策を用意したほか、SaaSをSMB市場に展開するパートナーに対しては、Azureへの移行を支援することにも注力していく」とした。

 さらに、ガバメントDXについては、「パブリックセクターでは、クラウド・バイ・デフォルトの動きが加速するなか、クラウドネイティブアプリの開発デマンドが上昇している。パートナー各社とは、政府クラウドに関して、すでに新たなアプローチを開始しているが、今後も、ガバメントDXを重点領域と位置づけ、投資をしていくことになる」と述べた。

パートナーによる最新のDX事例も披露

 パートナービジネス戦略の説明のなかでは、パートナーを通じた最新のDX事例が紹介された。

 インダストリーDXでは、TISが千葉大学医学部附属病院に向けて、クラウドで地域医療と連携したソリューションを提供し、コンセプト検討段階から病院側と協業し、患者のデータを共有する仕組みを実現。また、NTTデータでは、クラウド型プラットフォームサービス「iQuattro」とAzureとの組み合わせによって、消費財メーカーや素材、エネルギー、物流、商社などの120億円規模のサプライチェーンを可視化した。NRIは、ソニー生命のリモートニーズに対応して、ライフプランナーと顧客との新たなコミュニケーション手段を開発。また、ソフトバンクではAI映像解析ソリューションのSTAIONを神戸物産をはじめとした約1000店舗に導入して、次世代スーパーを実現する予定だ。さらにラピュタロボティクスでは、佐川グローバルロジスティクスにロボットソリューション「ラピュタAMR」を導入して、物流センターの人手不足を解消したという。

 SMB向けDXでは、ecbeingが200 以上のリテール企業に対して、Azure上でのECサイト展開を支援。また、SkyではGIGAスクール構想による児童生徒1人1台環境の整備に向けて、85万以上のWindows Tablet を展開し、189自治体、4000以上の学校を支援したという。

 ガバメントDXとしては、FIXERが、厚生労働省において、新型コロナウイルス感染者情報把握管理システムを、わずか3週間で開発。アクセンチュアは、JICAのリモートワーク環境を短期間で整備し、事業や組織のDXも加速させたという。

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