モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第56回

一部では「筋トレ弁当」と呼ばれているとか……：

セブン話題の「たんぱく質が摂れるグリルチキン弁当」食べてみた たんぱく質45.9g、460kcal

「たんぱく質が摂れるグリルチキン弁当 玄米入」
セブン-イレブン
594円
https://www.sej.co.jp/products/a/item/041477/

「筋トレ弁当」と呼ばれているとか

　なかなか外出しづらい状況が続いています。運動不足になりやすいですし、ストレスも溜まってしまうかもしれません。その流れで、感染症に気をつけつつランニングをしたり、自宅で筋トレを始めたりする人もいるようです。

　運動するなら栄養摂取も効率的にしたいもの。運動してなくてあまり高カロリーなものばかり食べるのも考えもの……。そんな時節柄、ネットで話題になっているのがセブン-イレブンの「たんぱく質が摂れるグリルチキン弁当 玄米入」です。ポイントはたんぱく質45.9gにして、460kcalであること。

こんな感じです

たんぱく質とカロリーの量がほこらしげに！

　コンビニではサンドイッチなどでこのようなコンセプトの商品があるほか、ファミリーマートにはライザップとコラボしたパンなどもありましたが、これはお弁当である点がインパクトが大きいかなと。一部では「筋トレ弁当」とまで呼ばれているそうです。

栄養成分はこんな感じ

　栄養成分については表示の通りだとして、問題は味です。たんぱく質が豊富でカロリーも高くない、でも、味がいまいち……となると話は変わってきます。そのあたりはどうでしょうか。

レンチンしました

かゆいところに手が届く“便利”な弁当

やはり気になるのはチキン

　メインとなるチキンですが、案外、にんにくの香りが強い感じ。トマトソースの味も濃い目かな。もっとも、淡白な味わいの鶏肉ですから、それはOKです。ごはんがすすむ味付けにはなっているかなと。

ソースかかってます。にんにくの香りは強め

皮がうっすらついています

　皮が付いているのは、グリルチキンなんだからそれはそうだろうと言われそうですが、ちょっと意外な気もしました。高たんぱくをうたうので、てっきり取っているものかと。まあ、それはやりすぎかもしれません。栄養成分表示によれば脂質は12.1gですから、それほど高いわけではないと思います。

　ともかく、ソースが味気ないとか、味が薄いということもなく、コンビニ弁当として、ちゃんとしたグリルチキンになっている。ここは合格点かなと。

ブロッコリーとコーン

　付け合わせはブロッコリーとコーン。茹でただけではなく味もついています。ブロッコリーはたんぱく質が豊富で知られており、筋トレのお供に食べている人も多いと思います。意外なのはコーン。穀物ですし、糖質を考えれば抜くものかなと。

　この辺りはグリルチキンの皮もそうなのですが、そこまでストイックに作りすぎると、コンビニのお弁当としてはバランスが悪い……と判断したのではないでしょうか。「茹でたチキンとブロッコリー」みたいにしちゃったらお弁当としてはシンプル過ぎる、みたいな。付け合わせにはコーンがあったほうが彩りとしても味としてもいいよね、的な。

玄米入り、とのこと

　ごはんは玄米入りです。ちゃんと筋トレするのであれば糖質もほどよく摂らなくてはいけないわけで、その辺りも配慮されているのでしょうか。まあ、ちょっと量が少ないかな……という気はしました。チキンは大きめで味がしっかりついているだけに、ペースを考えずに食べると、チキンが余るような感じになるかもしれません。

　とはいえ、これでお米をガツガツ食べたら何のための高たんぱくなんだというツッコミもありそうなので、これぐらいがよいのかも。

少なめかな、という気はします

　商品を開発するにあたって、「落とし所」というものはあると思います。高たんぱく、カロリー控えめといっても、コンビニにやってくる客層に合わせたものにしないといけません。

　たんぱく質が豊富でありながら脂質はそれほど多くなく、糖質と食物繊維も玄米でほどよく摂れる。カロリーも抑えつつ、594円という現実的な価格で、コンビニですぐ買える。手間がかからない。この辺りの手軽さが人気の秘密でしょうか。

　自炊の時間がなくてとりあえずコンビニやスーパーで何か買おうとなったとき、たんぱく質やカロリーなどを気にすると、おにぎりはちょっと糖質が……サラダチキンとサラダと……などと、組み合わせも考えるところ。しかし、このお弁当ならワンパッケージ。かゆいところに手が届く、“便利”なお弁当です。

　もちろん、グリルチキンの皮や、ブロッコリー内のコーンなど、そのあたりも徹底的に外してほしい……と考える人がいたとしても不思議ではありません。ただ、コンビニのお弁当として、高たんぱくでありながらある程度カロリーを抑えるとなると、こうなるのかな、という感じ。

　本当にストイックだったらそもそも外で食べるものを買わない、という考えもありえるわけで。でも、みんながみんな、いつでもそれができるわけでもありません。コンビニにもこういう選択肢があるよ、手間がかからなくてしっかりおいしいよ……ということを提示した。そこに高い価値があると思います。

モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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