SUPER GT 2021シーズン GT300クラスレースレポ 第4回
SUPER GT第3戦は真夏の鈴鹿でハイレベルな戦いが展開! 若手コンビのGRスープラがGT300初勝利!
2021年09月01日 17時00分更新
2021年のSUPER GT第3戦鈴鹿が、8月21~22日に行なわれ、GT300クラスは244号車 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤 優威)が今期初優勝を飾った。
本来なら鈴鹿大会は5月末に開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国内3度目の緊急事態宣言と、鈴鹿サーキットがある三重県にまん延防止措置が発令されたことをもあり、8月に延期されることになった。しかし、7月中旬から再び感染拡大傾向にあり、ちょうどレースウィークが始まる8月20日から三重県に再びまん延防止措置が出されることになった。
さらにGTアソシエイションがパドックに入場する全関係者に義務付けている事前のPCR検査でも、過去のどの大会より多い13人の陽性者が確認され、いつも以上に緊張感が高まるレースウィークとなった。
予選は新型マシンで絶好調のBRZがポール
そんな中で始まったシーズン前半を締めくくる1戦。GT300クラスの予選で速さをみせたのが、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTだった。
Q1のA組で、井口卓人が1分58秒205の好タイムを叩き出すと、続くQ2では山内英輝が、それを上回る走りを披露。1分57秒322で今季2度目のポールポジションを勝ち取った。
2021年から新型BRZで戦う61号車。第2戦富士では予選ポールポジション、決勝2位と好結果を残したが、7月の第4戦もてぎでは惨敗を喫し、陣営も悔しい思いをしていた。それだけにリベンジを誓って臨んだ鈴鹿大会で、まずは予選を制することができ、2人のドライバーとも安堵の表情を見せていた。
雨が心配された決勝は
雨こそ降らなかったが波乱の展開続出!
迎えた日曜日の決勝レース。当初は雨が降るのではないかと心配されていたが、幸い雨雲が逸れ、ドライコンディションで52周のスタートが切られた。
序盤にGT500クラスでアクシデントがあり、セーフティカーが導入されるなど、波乱の展開となったが、その中でもポールポジションの61号車はスタートからトップを死守。そのまま後続を振り切ろうとしたが、後続がそれを許さなかった。
なかでも光る走りを見せたのが、クラス3番手スタートの244号車 たかのこの湯 GR Supra GT。前半担当の三宅淳詞が13周目に61号車を攻略してトップに立つと、そのまま安定したペースでリードを広げていった。
24周を終えたところでピットストップを行ない、後半担当の堤 優威に交代した。ここで244号車が前後輪4本のタイヤ交換をしたのに対し、序盤からトップ争いを演じていた5号車 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号はタイヤ無交換作戦を敢行。彼らにトップを奪われてしまうことになるが、堤は冷静なドライビングで5号車を追い詰めていき38周目に逆転に成功した。
そのまま堤は、最後まで大きなミスを犯すことなく周回を重ね、最終的に6.6秒のリードを築いて、悲願のトップチェッカー。チーム、そして2人のドライバーにとって悲願の初優勝となった。
「僕は去年からSUPER GTに参戦させていただいていますが、これまでの中では一番満足のいくスティントにできたように思います。レース中は田中哲也監督がくださる情報をもとに、いろいろ考えながらも本当に落ち着いて走ることができました」(三宅)
「優勝できて本当にうれしいです。僕はGT300にフルシーズンで出場登録させていただくのは今年が初めてで、まさかこんなに早く優勝できるとは思っていませんでした。今シーズンこれまでのレースにおいて、GT300でGR Supra GTを使う3チームの中で僕たちだけが表彰台に乗ることができず、思うところがいろいろありました。今回しっかり結果を残せたことで、チームオーナーをはじめとするチームの皆さんや、スポンサーさんに対して良い恩返しができたんじゃないかと思っています」(堤)
2人とも、ここに至るまでには、様々な苦労や挫折を経験してきたのだが、それでも勝利を目指してコツコツと努力してきたことが、勝利につながった。
これにより244号車の三宅/堤組がランキング首位に浮上。一気にチャンピオン争いの有力候補に名乗り出た。
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