横浜18区の人とまちがつながる TSUBAKI食堂 18区丼ものがたり 第5回

【連載】「『幻のナシ』浜なしを使ったローストビーフ『栄区丼』」　

文●椿 直樹

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　皆さん、こんにちは！　横浜市役所レストラン「TSUBAKI食堂」オーナーシェフの椿 直樹です。今回もご覧いただきありがとうございます！

　前回の記事はこちら。

■【【連載】沖縄料理風いっぺーまーさん「鶴見区丼」

※過去の連載記事はこちら：横浜18区の人とまちがつながる TSUBAKI食堂 18区丼ものがたり

　9月の18区丼は「栄区」です。毎回思うのですが、私自身、横浜生まれなのにまだまだ知らない、訪れたことがない地域がたくさんあることに驚きます。

　栄区の前半でお世話になる森果樹園さん。あるご縁で数年前からお付き合いをさせていただいていますが、初めて伺った際はとても遠く感じました。ですが、年少のころ、森果樹園さんの前のバス通りをお墓参りの際によく通っていたのを思い出してからは、逆に親近感がわいてきて楽しみになったりして。

　今回、2021年9月1日（水）から15日（水）まで召し上がっていただける「栄区丼」の前半は、「浜なしと和牛ローストビーフのユッケ丼」です！！

　森果樹園さんの浜なしを使わせていただきます。

　横浜市内で生産された「浜なし」は、一定の条件を満たした生産者が横浜農協から認定を受けて生産・販売をしています。ほぼ全量を庭先などでの直売で販売しているため、市場に出回らないことから「幻のナシ」とも言われています。一般的に早めに収穫されるナシに比べ、「浜なし」は樹の上で完熟させるため、収穫してすぐの新鮮な果実を味わうことができるのがポイント。糖度も旨味も強い、横浜が誇る秋の味覚です！

　栄区で果樹園といえば森さんというくらい、地元や果樹業界では名が通っています。今回使用する品種は幸水です。梨にはお肉を漬けておくと柔らかくする成分が含まれているので、ローストビーフのソースにはピッタリです。

　丼のご飯の上には薬味的なお野菜と上質な和牛のローストビーフがたっぷり載っています。その上のユッケ状のお肉はなるべく赤身の少ない部位をチョイスしていて、全体をよく混ぜて召し上がっていただくと絶妙なバランスです（自画自賛）。しかもヘルシーです！

　「梨」という素材は切って皮をむいて、そのまま食べるのが１番！　なのですが、お店ではそういうわけにはいきませんね。焼肉のタレによくリンゴをすりおろしたりするレシピがありますが、その梨バージョンという感じです。

　話は変わって、その森果樹園の園主さん（お父さま）はかなりの旧車マニアのようです。以前私が伺った際にはスカイラインGTSが車庫に鎮座していました。その昔、私も同車種に乗っていたので、エンジンや足まわりの話などでひとしきり盛り上がってしまいました。ただ、ご家族には不評のようです。なんとなくわかる気がしますが・・・笑。

　少し脱線しましたが、スーパーや青果店ではほとんど見ることのできない「幻のナシ」浜なしをタレにも付け合わせにも贅沢に使って仕上げた濃厚なローストビーフ丼！ これは食べないともったいないですよー！

　タイミング、運がよければ、「TSUBAKI食堂」の店頭で浜なし、浜ぶどうの直売もあるかもしれません。

　今回も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。そして栄区丼の後半はスイーツがたっぷり登場しますので、お楽しみに！！

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文／椿 直樹　　

1967年生まれ。横浜野菜の魅力を広く伝えるため2003年「横浜野菜推進委員会」を設立。その取り組みが評価され2009年、神奈川県で初めて農林水産省「地産地消の仕事人」に認定される。好きな野菜は白菜、苦手な野菜はたくさん（笑）