アドビは8月26日、味の素への電子契約サービス「Adobe Sign」の導入事例を公開した。
味の素は世界130ヵ国で商品を販売するなどグローバルに事業を展開。2019年にオペレーション業務改革を目的とした合弁会社をアクセンチュアと設立するなどデジタルトランスフォーメーション(DX)による改革にも積極的に取り組んでいるなか、課題として浮上したのが、特に国内外の取引先・関係会社と取り交わされるさまざまな契約締結に要するリードタイム削減。
従来の紙ベース契約の場合、契約書の郵送だけでも数日必要になり、締結までに1ヵ月ほど掛かることが一般的なほか、大きな取組の場合は3~4社間で契約を交わすことも珍しくないため郵送によるやり取りにはさらに時間が掛かるのが実情だったという。
これに対し、グループ全体の電子契約プラットフォームとしての活用を視野に、Adobe Signを導入。運用を開始したのは2020年4月で、導入してまず活用されたのがコロナ禍を受けて本格化したテレワーク。同社では緊急事態宣言下の事務部門の出社率は15%前後で、現在も8割前後がテレワークを実施し、契約相手も含めて出社して捺印を行なうプロセスが不要になったことは大きな成果としている。
現在、法務・コンプライアンス部はAdobe Signによる電子契約の一元化に向けてグループ関連会社への説明会も積極的に行なっているほか、社内の承認システムとの連携も今後予定。さらには取締役会議事録の電子化など、各種の課題をひとつひとつ乗り越えてAdobe Sign普及を図っていくとしている。