主な用途は調べもの、子供は授業が楽しいとコメント
MM総研では、「持ち帰り学習での活用は授業利用の半数に留まっているが、コロナ対策などを意識した学びの機会の確保の観点からも、今後、授業以外での活用率の向上が課題となると考えられる」としている。
また、今回の調査では、児童、生徒の利用頻度と、活用意向をクロス集計分析した結果、「利用頻度が高い」ことと、「端末活用意向」には相関関係があることがわかったという。
端末をすでに利用している児童、生徒の頻度(毎日、それ以外)と、4段階にわけた活用意向の分布を見ると、毎日利用する層は、それ以外の層と比べて、「とても使いたい」との回答比率が1.75 倍になっているという。
さらに、端末を利用したい理由を自由回答形式でたずねたところ、「毎日利用している」と答えた児童、生徒の理由では、授業では「楽しい(から)」のキーワードが最も多く、持ち帰り学習では「調べる、調べ」がトップになった。
MM総研では、「GIGA スクール構想の狙いのひとつに、情報活用能力の向上があるが、GIGAスクール端末が、『調べる』ための学習などで積極的に活用されていることが明らかになった。抽出したキーワードの文脈を見ると、授業に対しては、『面白い』、『わかる』のほか、先生の説明や授業に『集中できる』などの回答がみられた」という。
また、「パソコン」のキーワードに関連して分析したところ、「キーボードタイピングが面白い」、「操作が楽しい」、「好き」、「これからの時代に必要」などの意見がみられたという。さらに、持ち帰り学習の4位には、「ゲーム」が入ったが、ここでは、「ゲーム感覚で宿題ができる」、「プログラミングでゲームを作りたい」といった意見がみられたという。
MM総研では、今回の調査結果から、「ICT環境を積極活用しはじめた小中学生からは、『授業が楽しい』という意見が上位にあがったことが評価できる。また、インターネットの最も典型的な活用法である『調べる』が、授業、持ち帰り学習のいずれでも上位にあがったこともGIGAスクールの成果として評価できる」とする一方で、「政府、自治体、教員、ICT事業者は、子供の活用意欲や習熟を高める活動に、ICTを活かすことが重要である。教育現場は、OS 事業者(日本マイクロソフト、Google、アップル)が提供する教員研修などを通じて、デジタルへの理解やスキル向上とともに、活用事例を共有していくことが大切であり、これが技術革新を通じた教育改革の大きな推進力となる」と提言した。