IoTデバイスを使ったモニタリング環境の構築に挑戦!
赤ちゃんの健康のために、寝室のCO2量を可視化してみる
提供: ソラコム
わずか10分で設置が完了。すぐにモニタリング開始
数日後に届いたパッケージは、何となく業務用っぽさも感じる簡素なものだった。悪くない。むしろ、いい。この感じが、いかにも「未知のキット」という雰囲気でワクワクする。私たちは過剰な梱包に慣れすぎている。製品の形に100%きれいにくり抜かれたウレタン製の土台は製品の機能に影響しない。必要なものだけが入っていればいい。
開封すると、CO2センサーの本体と、ACアダプター、ナノSIMカード、マニュアル類一式が入っている。やはり簡素である。いわゆるIoTデバイスというものを手にしたのは初めてだから、設定などで戸惑わないか少し心配になるが、早速設定をしてみることとする。
結論から言えば、設定の難易度は高くない。光ファイバー回線を契約して、自宅で接続設定を完了させたり、格安SIMとSIMフリースマートフォンを買ってきて、APNの設定などを自分でするといったレベルと同等か、それよりもわずかに難しいといった程度だ。
ソラコムの販売するIoTデバイスは、SIMも含めて、すべて「SORACOM ユーザーコンソール」と呼ばれるブラウザ上のコンソールで管理できる。今回のようにキットを購入した場合は、まずSIMカードをコンソールに紐付けし、本体に差し込み、コンソールでモニタリングをするというシンプルな手順で、設定が完了する。
コンソールも基本的には扱いやすく、ちょうど、私たちのようなウェブ系の業種の人が使う機会の多い「CMS(コンテンツ管理システム)」や、もっと身近なものに例えれば、ブログの管理画面などにも似ている。登録しているSIMやその種類、通信量、利用料金なども一元的に管理できる。SIM、料金、デバイスなどと確認したい項目によって別々の管理画面が用意されているといった面倒なことはない。ソラコムのIoTに関することは、すべてSORACOM ユーザーコンソールの中で完結する。
どこにどのような項目があるのかといった基本的な体系に慣れてしまえば、操作に戸惑うことはなさそうだというのが、しばらく触ってみた感想である。設定時には、一部、「バイナリパーサー」という聞き慣れない言葉が出てきたが、同社の公式ブログで紹介されている「レシピ」を確認しながら設定を進めたため、特に迷うことはなかった。
噛み砕いて言えば、CO2センサーが取得した情報を、「SORACOM Harvest」というSORACOM ユーザーコンソール内のデータを管理するセクションで扱える形式に変換するための作業が、バイナリパーサーの設定だ。こう聞くと何やら難しそうにも思えるが、そのためのコードも親切にブログに掲載されている。何も考えずに、コピペをするだけで問題なく動作する。
はじめて触るジャンルの製品なので、うまく設定ができるか少し心配したが、少なくとも、LTE-M CO2センサーを用いてCO2濃度、温度、湿度を計測するという目的だけなら、何も特別な知識は要らない。日頃からデジタル機器に慣れているなら、何の障害も感じないと思う。
CO2の量は思っていたよりも上下している
さて、構築が完了した我が家のCO2モニタリングシステムを用いて、早速取得したデータを見てみよう。データの閲覧もやはり、SORACOM ユーザーコンソールを通じて実行する。
今回導入したLTE-M CO2センサーは、何度か書いている通りCO2濃度、温度、湿度の取得に対応するセンサーなので、SORACOM ユーザーコンソール内では、3種類のデータとして扱うことが可能だ。
表示形式を折れ線グラフや棒グラフとして可視化でき、折れ線グラフにすると、ある一定の期間に置ける数値の推移がひと目でわかる。湿度や気温は±1℃単位でゆるやかに上下するため、グラフの形状は穏やかだ。一方、LTE-M CO2センサーはCO2の濃度を「ppm(100万分の1)」単位で細かく計測するため、グラフが激しく上下していて面白い。
参考までに、下記のグラフを見てほしい。これはある日の我が家の寝室のCO2濃度だが、14時15分頃には640ppmだった濃度が、18時20分頃には400ppmまで低下している。実際、14時頃まで寝室で赤ちゃんが昼寝をしていたので、その影響で上がっていた(と思われる)CO2の濃度が、時間が経つにつれて緩やかに下がり、穏やかな推移を辿っているという仮説を立てることができる。
これは素晴らしい。ブラウザーでSORACOM ユーザーコンソールを立ち上げておけば、5秒単位でどんどんデータが更新されていくため、リビングからでも、つねに寝室のCO2濃度、温度、湿度の状況が把握できる。原稿に集中していて寝室を覗きにいく余裕がなかったとしても、ブラウザーのタブを切り替えるだけで、異様にCO2の濃度が上がっていないかがひと目でわかるのだ。
やはり、実際に触ってみてよかったと感じた。しかし、この面白いIoTデバイス、他にもっと尖った使い方はできないものだろうか。寝室の状況のうち、目に見えない要素を可視化し、赤ちゃんの健康管理に役立てる、という当初の目的は早々にクリアしてしまっただが、こうなってくると欲が出てくる。
たとえばCO2濃度に応じて通知ができれば、毎回画面を確認する手間も省ける。幸いなことに、SORACOMにはSaaSやクラウド連携向けのサービスもあることから、通知サービスとの連携はもちろん、ビジネスの現場でも使えそうだ。もうしばらく、今の使い方で使用を継続しつつ、次回の原稿では、何かに流用できないかを探ってみたい。
(提供:ソラコム)
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