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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第292回

中古のモトコンポのスイッチボックスをバラしてレストア サビとの戦いでした

2021年08月15日 17時00分更新

文● むきみ(@TK6506) 編集● ASCII

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プチ改造したモトコンポ

 半年ほど前に購入したホンダの古い原付バイク「モトコンポ」。買ってすぐにプチ改造をしました。

冬に買ったモトコンポ。キレイにレストア済みで「走る」「曲がる」「止まる」も問題ありませんでしたが、ちょこっとだけ改造しました

 モトコンポの電装系は簡易な作りになっていて、電圧制御をしていません。そのためバッテリーに数十Vの電圧がかかってしまい、バッテリーにめちゃくちゃ厳しい状態になるんですよね。

 密閉型のシールドバッテリーだと破裂する可能性もあって不安だったので、乗り回す前にレギュレートレクチファイヤーという部品を購入しました(第280回「中古のモトコンポにレギュレーターを取り付けるケーブルを改造」)。

買ってすぐに、電圧を適正に抑えてくれるレギュレートレクチファイヤーを取り付けました

 オルタネーターの交流出力を直流に変換するレクチファイヤーと交換することで、交流→直流だけでなく充電電圧の7.5Vほどで安定するようになるのです。

細かいところもキレイにしたい

 こうしてプチ改造をしたモトコンポですが、機能的に不安のない状態になったら今度は見た目が気になってきました。レストア済みで機関は好調だしカウルもきれいなんですけど、ブレーキレバーの付け根の裏側とかが真っ黒なんですよね。

 汚れって気になり出すとどんどん気になっちゃうじゃないですか。で、軽く掃除してみたんですけど、ウェスで拭いてもたいして落ちないし、部品が入り組んでいるので細かい所を拭けません。

 ブレーキクリーナーを歯ブラシに付けて磨いてみるとかワイヤーブラシでガシガシとやればとか、いろいろ思ったんですけど、こういう時って、このままアレコレ策を練ってもうまくいかないことが多いんですよね。手間はかかるけど、部品をバラしたほうが結果的に早いっていう。急がば回れとはまさにこのことです。急いではいないんですけど。

ハンドル周りをバラして掃除します

 というわけで、ハンドル周りをバラして掃除することにしました。プチ改造に続いてプチレストアです。バラすといってもバイクのハンドルなんて分解したことがないし整備マニュアルも何もないので、作業は手探り。

 とにかく外してみないことには始まらないので、あとで写真を見ながら元に戻せるように、パシャパシャ撮りつつとにかく外せそうな物を外していきます。

 まずは左のスイッチボックス。後輪ブレーキレバーとライトのスイッチ、ウインカースイッチ、ホーンボタンが付いている部分です。

後輪ブレーキレバーの付け根部分のスイッチボックスをハンドルから外してみました。表はキレイですが裏は汚れで真っ黒です

 裏にネジが2本あったので、たぶんこれを外せばいいんだろうとやってみたら、パカっと上下に割れてユルユルに。上下がコードで繋がってるし構造もまったくわからないので恐る恐るでしたけど、ボックスの上半分を引き上げるとハンドルから外せました。

 この部分、上面は結構キレイだったんですが、裏側は真っ黒。マジ真っ黒。たぶん油とホコリが混ざってるんでしょう。拭いたぐらいではびくともしない感じです。

ロックレバーを分解

 スイッチボックスには後輪ブレーキのレバーと、後輪ブレーキのロックレバーがついています。急に飛び出したりしないように、エンジンをかけてから走り出すまでブレーキレバーを握った状態のままロックしておく機構です。

 これもかなり汚れているしサビもあるので、外して、汚れ&サビ落としをしようと思います。

左下にあるのがブレーキロックレバー。コの字型の金具でブレーキレバーを握った状態でロックするようになっています

 ロックレバーの仕組みは簡単で、コの字状の金具がブレーキレバーが緩むのを邪魔するだけ。ロックを外す時はスプリングでパチンと戻ります。金具もスプリングも結構サビサビ。サビ落としでキレイになるといいんですが。

ロックレバーはコの字型の金具とスプリング、ピン、Eリングで構成されています。どれも真っ黒

 軸になるピンを固定しているEリングをラジオペンチで外してピンを抜き、金具とスプリングを外します。本当はEリングを外す時は専用のプライヤーを使うんですけど、持ってないのでラジオペンチでやりました。飛ばしてしまわないように慎重に慎重に。

 金具の内側はこれもまたホコリやら油やらでベタベタな状態でした。ピンの軸部分は結構キレイです。

スイッチボックスの上半分はまあまあキレイでした

 せっかくスイッチボックスを外したので、やるなら徹底的にということで調子にのって中も掃除することにしました。

 ウインカーレバーって真ん中でカチッと止まるようになってるはずなんですけど、クリック感が無くて行きすぎちゃったりするし、ライトのスイッチもズリズリと動く感じでカチカチ感触が無いから、きっと中も汚れているんじゃないかと思うんですよね。掃除して動作が完璧になるならそれに越したことはありません。

 まずケースを開けてみます。上下が硬めなコードでつながっていてガバッと開けるのが怖かったので、ジワジワと開けていきました。特に落ちてくる部品もなく、大丈夫だったみたいです。

スイッチボックスの上半分。中はスカスカで、思ったよりキレイでした

 ボックスの上半分にはライトのスイッチがはめ込まれていたりするのかと思ってたんですけど、スイッチを構成する基板などの部品が剥き出しでケースに取り付けられていました。このスイッチボックス自体がスイッチそのもので、ケースがスイッチのガワということですね。

 この中も真っ黒かと思いきや、意外なほどキレイで、金属部分は銀色に光っています。でも白いプラ部品は汚れてますね。

 この白い部品はスイッチをオンオフするとスライドするようになっています。取り付けられている接点が基板の接点をショートさせるんだと思います。

 2つの金属プレートがスイッチの基板を固定しているようなので、外してみました。

基板を外し、表側の操作部分を外すと、スイッチ内部のスライド部分が外れました。ホコリや油でベタベタ気味

 基板をそーっと抜き取ると、スライド部品はケースと基板で挟み込まれているだけとわかりました。基板のコードはスイッチボックスの下半分につながっているので、基板を抜くと上半分を分離させることができます。

 スイッチボックスの表についているスイッチの操作部分を引き抜くと、スライド部品が外れます。スライド部品の真ん中には金属プレートが付いていました。やはり接点です。

 接点の反対側には金属のボールがあり、ボックスの内側にはボールがはまる溝が切られていました。ボールは後ろからスプリングで押されているため、溝にカチッカチッと入ってオンオフの位置で止まるようになっています。

 が、金属ボールとスプリングがホコリと油で汚れていて、動きが超悪い。ボールを押し込むとゆっくり出てくる感じです。スライド部品自体もベタベタ気味で、そりゃスライドさせると軽快に動かず、ズリズリと引きずるような動きをするわけです。

 基板の接点は磨き、そのほかの部品は洗浄します。金属部品の洗浄に使うのは油汚れを強力に落とせるブレーキクリーナー。強力すぎてプラスチックだと溶けちゃうんで使えません。スライド部品はプラなので使い慣れたプラモデル用途料の薄め液で拭き取ることにします。

ガワだけになったスイッチボックスの上半分。四角い穴がライトスイッチが付いていた部分、周囲が錆びているので金属磨きで磨きます

横も真っ黒

 ケースだけになったので掃除がしやすくなりました。ケースはオール金属なのでブレーキクリーナーをガンガン使えます。吹きつけてはブラシでこすり、最後はこれでもかというぐらい拭いて洗い流しました。

 それでも落ちない汚れやサビは、インパクトドライバーに取り付けた金属磨きのローラーでガシガシ磨きます。

スイッチボックスの下半分はサビだらけ

 スイッチボックスの下半分にはウインカーのスイッチとホーンボタンが入っています。

下半分はかなりヤバい状況。サビだらけです。ウインカーレバーの不調も当然と言えば当然です

 こっちは上半分と違ってヤバいです。超サビサビ。ライトスイッチやウインカーレバーの隙間から入った雨水で錆びたんだと思います。

 ウインカーレバーは左右と真ん中でカチカチと動くはずなのに、錆びついているせいかクリック感がなく、どこでも止まる状態になっていました。動きが固いから余計な力が入り、戻すときに真ん中を行きすぎてしまいます。

 先端は黒いプラスチックの中に突っ込まれているのでこれがスイッチ本体ですね。中に接点があるはずですが、そこもヤバそうです。

ウインカーレバーは完全に錆びていました。真っ黒なのはネジを外すために潤滑剤を吹きつけたためです。軸受のスリーブが錆びていなかったのが救いです

 ウインカーレバーはネジを軸にして左右に動くようになっていました。軸部分まで錆びていると厄介ですが、レバーの穴にスリーブがはまっていて、拭いてみたらピカピカでした。錆びにくい真鍮製のようです。固定しているネジは錆びまくっていても、スリーブが錆びていないなら軸はスムーズに動くはずです。

 レバー自体はこれでよく動作してたなっていうぐらいの錆びっぷりで、パッと見は曲げたら折れちゃうんじゃないかっていうぐらい。こんなサビを落とせるのかどうかわかりませんが、次回はそれにチャレンジします。

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