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仕事や授業、デジタル化する生活で注意したいこと

2021年08月06日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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家でのデジタル化が進んでいく

 2021年になっても、新型コロナウイルスの脅威はなかなか衰えない。東京では4度目の緊急事態宣言が出されるなど、収束への見通しはまだまだ明るくない。これからも、マスクの着用、3密の回避、手洗い・消毒など、基本的な対策を徹底していくことが肝心となる。

 その流れの中で、リモートワークの普及や、オンライン学習ツールの導入など、自宅でも「オンライン」になることで、仕事や教育などを進めて行く流れは大いに普及した。

 リモートワークやBYOD(Bring Your Own Device、個人端末の業務利用)などをさらに進めるために、安心して利用できる環境整備への必要性が高まっている。

 教育面でも、オンライン学習ツールの提供が盛んになっている。映像授業や教育プラットフォームの導入などは、この1、2年で急速に普及した。多くの教育関係で、リモートでの学習が当たり前となっている。

 もっとも、セキュリティ対策が充実していない自宅での仕事や、個人所有のデバイスの利用などでは、サイバー攻撃の標的になる可能性が高まる可能性もある。また、クラウドの利用が急速に進んだこともあり、クラウドサービスを標的とする脅威が増加するなど、サイバー犯罪においても新型コロナウイルスの影響が影を落としているといえる。

 コロナ禍の収束までまだ時間がかかりそうな中、多くの人がオンラインでの仕事や学校教育を経験し、これからもその傾向は続いていきそうだ。そうなれば、そのデジタル化の波に応じたセキュリティへの意識を持つ必要がある。

仕事でも教育でもセキュリティ意識が大切

 まず、セキュリティ ソフトウェアを使用し、デバイスや個人情報をフィッシング詐欺(およびマルウェア)の脅威から保護するのは基本といえる。とくにセキュリティ面で見直したいのがスマートフォンだ。悪意のあるソフトウェアがスマートフォンのバックグラウンドで実行された場合、外部からスマホを介して内部ネットワークにアクセスできるようになってしまうおそれもある。

 在宅の時間が増えていると、IoTデバイスを購入し、利用する機会も増えてくるかもしれない。その場合も、デバイス名やWi-Fiパスワードをデフォルトから変更する、最新のパッチなどを適用する、バージョンアップの情報などをチェックする、デバイスがもつプライバシーを保護する機能を知るなどの対策を講じよう。

 仕事の業務にあたっては、どのデバイスが使用可能なのか、どのようなクラウドサービスを利用するかどうかなどを、事前にすり合わせておきたい。こまめに連絡、確認することがセキュリティの見直しにも繋がる。

 また、仕事でも教育でもいえることだが、ビデオ会議を利用する場合は、ツールの機能が目的に即しているかどうかを検討しよう。データの傍受を防ぐためにも、送信中のすべてのデータを暗号化するサービスを優先したいところ。

 ほかにも、多要素認証のサポートがされているか、プライバシーポリシー(サードパーティーとの共有)の内容はどうなっているかを確認し、悪意のある使用はされていないかという点もチェックしておきたい。

 オンラインでの作業が増えてくると、ファイルをやり取りし、共有する機会も多くなる。そうなると、設定の不備から、意図しない共有が発生してしまう可能性もある。セキュリティ違反の影響とリスクを軽減するために、ファイルの共有サービスなどを利用する際、必要な手順を理解することが重要といえる。

 多くの人がリモートワーク、オンライン授業を経験し、今後はいっそうのデジタル化が進んでいく社会。セキュリティへの意識を持つことも、より求められるようになっていくはず。今回は、McAfee Blogの「わたしたちの生活とデジタル化」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

わたしたちの生活とデジタル化:McAfee Blog

 新型コロナウイルス感染症の影響で、世界中の生活が変わりました。多くの人がリモートワーク、オンライン授業を経験するなど、デジタル化がいっそう進んでいます。

 現在はワクチン接種が進んでいるものの、今後の動向はまだまだ不透明。東京では4度目の緊急事態宣言が出されるなど、収束への見通しはもうしばらく立ちそうにありません。

 いずれにしても、デジタルとの距離感はいっそう近付いていくでしょう。今回はその実態や今後の課題について、マカフィーが実施した意識調査などから考えてみます。

在宅勤務が増えても、環境整備は遅れ気味

 IT企業であるマカフィーは、感染拡大に伴い約1年半、在宅勤務となっています。そんな状況の中、社員にアンケートを実施し、在宅勤務のメリットとデメリット、今後の働き方などについて意見を聞いてみました。

 まず新型コロナ収束後にも在宅勤務をしたいかという質問では、「強く思う」(64.1%)、「やや思う」(33.3%)という2つの回答を合わせると、ほぼ全員が在宅勤務を続けたいと回答しました。一方で、実際の在宅勤務においては、出社する必要を感じることもあるようです。自宅にない機材やシステム環境が必要な業務や、機器に問題が発生した時のトラブル対応、客先や取引先との会議で直接対面したい……という場面は、実際の業務では発生します。中には「仕事とプライベートの空間を分けたいときがある」という意見もありました。

 また消費者を対象にした、コロナ禍における在宅勤務・オンライン学習や、IT利用、セキュリティに関するアンケート結果も昨年10月に発表しています。一時は進んだ在宅勤務の導入ですが、企業によっては、現在は継続していないケースも少なくないことが分かりました。

 また在宅勤務中に課題を感じたこととして、インターネット環境や作業スペースなど、自宅にじゅうぶんな仕事環境が整っていないという意見が目立ったものの、下のグラフにみるように、在宅勤務中に実際に環境を整備できた人はそれほど多くなかったという現状も浮かび上がりました。

今後進んでいく学校のデジタル化

 勉強でも遊びでも、子どもがデジタル機器に触れる時間が増えるのも、大人としては悩ましいものです。前述の消費者調査で、子どものインターネット利用に関して心配だったことを聞くと、過半数(54.8%)の人は「オンライン授業の学校による質の差」を挙げ、新しい取り組みへの適応を不安に思う人が多いようでした。

 他方、「ゲームをしていないか」が26.9%と4人に1人。さらに「ソーシャルメディアでの好ましくない投稿やトラブル」が20.4%、「サイバー犯罪に遭わないか」が19.8%程度と、セキュリティ面の心配をしている親は5人に1人ほどと、多いとはいえません。ウェブサイトやコンテンツのフィルタリングの利用率も30.5%にとどまり、じゅうぶんな対策がとられているわけではないようです。

 内閣府が今年4〜5月に実施し6月に発表した「第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」にも、子どものオンライン環境についての興味深いデータが出ています。「子どもが(何らかの)オンライン教育を受けている」とした小・中学生の親は、1年前(2020年5〜6月)は45.1%いましたが、現在(2021年4〜5月)には26.7%に減少。大人がオフィスに戻っているのと、同じ傾向があるようです。

 気になる学習時間については、感染拡大前と比べて学習時間が6%以上減ったという高校生は40.9%にのぼり、増えた(33.7%)を上回っています。単純な比較はできないものの、やや不安の残る数字といえます。

 政府は「GIGAスクール構想」と題し、学校での1人1台端末とネット環境づくりを図っています。2020年末までに全国の小中学校の96%以上に端末の納品が済んでおり、ネットワーク環境、デジタル教材や教育方法なども充実していく見込みです。コロナ禍に際して懸念された、オンライン授業体制のばらつきも今後は解消されるでしょう。それとともに、新しいライフスタイルの中での生活リズムをどうしていくかは、一考に値するでしょう。

セキュリティ意識と環境の充実を

 マカフィーが行った海外での意識調査では、日本での調査よりも、セキュリティへの関心が高い消費者が多い結果が出ています。特に保護者は、子どものオンライン活動の監視を重要なものと考える傾向があり、コロナ禍で外出制限が続く中で、ペアレンタルコントロール機能の利用の増加が数字に表れています(下表)。

 これからのデジタル時代、日本でも、家庭のセキュリティ意識はいっそう高めていく余地がありそうです。

 上の内閣府の調査では、テレワークのデメリットについての質問で、4人に1人(24.6%)がセキュリティ面の不安を挙げました。IT意識の高い人に聞いたアンケートではないにもかかわらず、少なからず不安を感じる瞬間があるようです。実際にはさらに多くの人が、リスクが大きいネット環境で仕事や学習を行っているのかもしれません。

 コロナ禍の収束までまだ時間がかかりそうな中で、大人も子どもも、半分前後の人はオンラインでの仕事や学校教育を経験したことは事実です。デジタル化は着実に加速しているといえます。社会に目を向けると、ビジネス界を中心にDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる中で、オンラインで行政手続きができたり、「ハンコ廃止」といった電子契約が増えたりと、これまでの常識も大きく変わろうとしています。

 安全で快適な環境で仕事や学習をする──。そんな意識を1人1人が持つために、自らの意識啓発のみならず、企業から従業員への支援もいっそう重要になるでしょう。せっかく便利なデジタル社会になるのですから、多様なライフスタイルを支える環境を整え、みんなで「コロナ前」よりも良い世の中に近付けていく機会にできればと考えています。

(関連リンク)

マカフィー、コロナ禍におけるIT利用やセキュリティに関する調査結果を発表
内閣府 第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査

著者:マカフィー株式会社 コンシューママーケティング本部 執行役員 本部長 青木 大知

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

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