商業・産業向け大判インクジェットプリンター
PDF印刷特化の「Adobe Embedded Print Engine」がエプソンの大判プリンターに搭載
2021年07月30日 18時30分更新
アドビは7月29日、PDFに最適化された組み込み型プリントエンジンのAdobe Embedded Print Engineが、セイコーエプソンの商業・産業向け大判インクジェットプリンターSureColorシリーズ「SC-T7750D」「SC-P8550D」のPSユニットで採用されたと発表した。
PSユニットは、PostScriptにより数式であらわされた色や文字、形などの情報をプリンターで印刷するためのレンダリングシステム。Adobe Embedded Print Engineは、これまで主にオフィス複合機に搭載されていたが、大判プリンターで採用されるのは初めてとしている。
SureColorシリーズは、高品位なPOPやポスター向けの大判プリンターで、SC-T7750Dは鮮やかな赤色を再現する6色の「UltraChrome XD3インク」、SC-P8550Dはグレーインクを含む「UltraChrome PRO 6インク」を搭載する。また、奥行き50cmのコンパクトな設計ながら、2.64インチ大型ヘッドを搭載し、ロール紙ユニットはダブルロールモデルを採用する。
Adobe Embedded Print Engineは、高度なカラーマネジメントテクノロジーにより、これまで組み込み型プリンターでは難しかった、PDFデータに組み込まれた以下のような色彩表現を忠実に再現する。
・透明効果のブレンド:下地に透明なオブジェクトを重ねること
・ICCカラープロファイルのサポートによる忠実な色表現(モニターの色空間から印刷の色空間へ変換)
・スポットカラー:コーポレートカラー等(ロゴ)のより忠実な色表現
店頭などで貼られるPOPやポスターの多くがPDFで入稿されるが、色の重なりなどのデータが複数のレイヤーになる場合、印刷した際にレイアウトやフォントが崩れるなどの問題がある。Adobe Embedded Print Engineは、最新のコンピュータープロセッサーが持つ複数のコアに対し印刷処理の指示を分散・並列して出しているため、複雑なグラフィックスを高速でレンダリングできる。