渡辺佑太朗さん、竹田光稀さん、辻千恵さん、北原帆夏さん、アキラ100%さんに聞いた
“気まずい”がテーマの異色のドラマ「劇的に沈黙」メインキャストインタビュー、今までにない攻めた作品に
2021年07月31日 14時00分更新
TOKYO MXで毎週火曜日の23時30分から、ドラマ「劇的に沈黙」が放送中だ。また、YouTubeでも、各話放送終了時から順次公開されている。
本作は、東京都練馬区江古田を舞台に、とある芸術大学で潰れかけのサークルに所属する大学生たちが繰り広げる、シチュエーションコメディードラマ。最大の特徴は、「気まずい」をテーマにしている点で、あらゆる場面での“気まずさ”に、クスっと笑える作品になっている。
さらに、あらすじではとある芸術大学となっているが、こちら日本大学芸術学部をモデルにしており、監督の北畑 龍一氏、脚本を担当した山崎 洋平氏、山崎 太基氏も同大学の卒業生。私も同大学を卒業しており、出身校が舞台のドラマということで、どんな作品になるのだろうと期待していた。さらに、個人的には8年近く住んでいた江古田の街並みがどのように作品に登場するのかも気になっていた。
今回、ドラマのメインキャストをつとめる、鈴木 幸平役の渡辺 佑太朗さん、橘 慎一役の竹田 光稀さん、柴田 英理子役の辻 千恵さん、桐嶋 夏織役の北原 帆夏さん、そして清水 宏役のアキラ100%さんにインタビューを実施。本作の魅力や各キャラクターについてなどを伺ってきた。
気まずい“間”を演じるのが難しい
ドラマ同様最初はみんな気まずかった
まずは北原さん、辻さん、渡辺さん、竹田さんの4人にインタビューを実施した。
──よろしくお願いします。まず、本作への出演が決まったときの印象を教えていください。
北原 帆夏さん(以下、北原さん):本作の役はオーディションで決まったのですが、オーディションのときから辻さんと一緒の時間帯で、ペアで役を演じさせてもらったので、受かったときはまた一緒にできると思い、うれしかったです。辻さんは柴田役になるだろうなと、オーディションのときから思っていたので。
辻 千恵さん(以下、辻さん):北原さんとはオーディションの前にたまたまワークショップで2回ほど一緒にお芝居をさせていただいていて、すごく器用な方だなという印象があったので、また一緒にお芝居出来る! ってうれしく思いました。
竹田 光稀さん(以下、竹田さん):僕はオーディションのとき、橘役と鈴木役をどちらも演じさせてもらえたので、受かるとしたらどっちなんだろ? と思いながら結果を待っていました。でも、台本をいただいて読んだときに、全然鈴木ではないなと(笑)。
渡辺 佑太朗さん(以下、渡辺さん):逆に、僕はオーディションでも鈴木役しか演じていなくて、キャラクター的にも100%鈴木だろうなと思っていました。
──脚本を初めて読んだときと、自身の役についてどういった印象を持たれましたか?
北原さん:脚本は、クスクス笑いながら読んでいました。“気まずい”がテーマだと知って、早くこの気まずい雰囲気を味わってみたいって思いましたね。また、コメディー作品に出演させていただくのが初めてで、脚本を読んでいるときからこの“気まずい”の間が大切なんだろうなと思っていましたが、いざ現場で挑戦してみたら想定と全然違って、コメディーって難しいなと、結構苦労しました。
桐嶋という人物については、お話の中で少し闇の部分も描かれていて、ちょっと私と似ているなという部分もあるなと。桐嶋って、すごく不器用なのに素直に生きようとするから、壁にぶつかってしまうんです。なので、この子を救ってあげたいという気持ちで、役と向き合っていました。
辻さん:柴田は、何も気にせずに人に色々と言ってしまう性格で、最初はちょっとうらやましいなとも思ったのですが、途中で片親という裏設定を知って、これは生きていく術なんだろうなと腑に落ちました。なので撮影期間中は、いつも遠慮しちゃうことでも柴田の力を借りて言えることもあったので、助けられたなという部分もあります。
あと、とにかく柴田はキレているんです。でもそれは相手に思いを届けたい、そのために怒鳴っているんだと、作品が進むにつれて気付きました。やっぱり怒るのってエネルギーがいるので、撮影でもかなりパワーを使いました。
渡辺さん:脚本を初めて読んだときは、この気まずい沈黙をどう作るかということに悩みました。単純に間を作ることは簡単なんですが、沈黙の間が面白くなるには、どうすればいいかということをずっと考えてましたね。
今回、皆さんと現場でお芝居をするのが初めてで、みんなと雰囲気をつくっていくかというのが、僕の中での課題でした。間をどれだけ上手く作れるかが肝で、それまでのことは前振りでしかないという設定も、難しいなと思っていました。
また、鈴木はとにかく気難しくて、小学5年生のガキ大将みたいなイメージですね。気に食わないと怒りで気持ちをぶつけてしまうので、まともな会話ができないんです。なので、オンエアされたあとに観てくれた方の感想とかをみると、鈴木がめちゃくちゃ嫌われていましたね(笑)。
でも後半からは鈴木にもどんどん可愛げが出てきますし、折れることをしなかった男がそれを乗り越えるときがきます。そういうところもぜひ注目してほしいです。
竹田さん:今回、気まずいがテーマというのを知って考えたんですけど、普通に生活していると気まずい時間からなるべく避けるための行動をとったり、方法を考えたりするので、気まずいと向き合うことはなかなかないなということに気付きました。
橘はある程度はカッコよくて部を支えている先輩で、橘がちゃんとしていないと部が成り立たなくなる部分がありつつ、その反面しっかりダメなエピソードもあるという、バランスの難しい役だなと感じました。というより、この作品にまともな人は1人もいないかもしれないです。