つい先日と思っていたら、もう先月のこととなったWWDCで発表されたアップル製 新OSも、すでに一般ユーザーも試用可能なパブリックベータ版が公開されている。ここでは、その中からmacOS Montereyを取り上げ、注目すべき機能を実際に試した感想を中心にお届けする。
Montereyには、WWDCで発表されたものの、現時点ではまだ実装されていない機能もある。そこで今回は、ユーザーインターフェースを中心に、筆者として特に気になった機能をピックアップして取り上げることにする。いずれにせよこの記事は、まだ完成していないOSを扱うものなので、完成後に正式に公開された際には、ここで述べることと相違が生じる可能性もあることをお断りしておく。
また、アップルの最新OSのパブリックベータ版は公開を禁じられているが、本稿では取材に基づく特別な許可を得たうえで情報を掲載している。
見慣れた外観にこっそり忍び込んだ新機能
今年、2021年のアップル製OSを、それぞれこれまでのバージョンと比べたとき、見た目の変化がもっとも小さいと感じられるのは、このmacOS Montereyだろう。角の丸みを大きくしたウィンドウの外枠の形状や、内側に配置されたGUI部品の構成は、前回のBig Surから採用したものなので、もはや見慣れたものとなっている。もちろん、標準設定では画面の底辺部分に位置しているDockや、右辺からせり出してくる通知センターも、もうかなり前から馴染み深く感じられる。Monterey用に用意されたデスクトップのバックグラウンドを除けば、画面の雰囲気は、ほとんど変わらないと言ってもいい。
実は上の画面の中には、今回のmacOS Montereyの目玉とも言うべき機能強化のポイントが3つ組み込んである。雰囲気に惑わされずに細かい部分にまで着目すれば、どれがそうなのか、お分かりいただけるだろう。答えを先に言ってしまうと、「ショートカット」「Safariのタブ機能の強化」そして「クイックメモ」だ。
ショートカットは、すでにiOSやiPadOSで実現していた機能をmacOSに移植したものと言うこともできる。もちろん、見た目からして似ているものの、やはりそこにはmacOSならではの機能、使い勝手が盛り込まれている。
Safariのタブ機能の強化は、複数のタブを内容や用途によって仕分けして管理できるタブグループに代表されるもの。それ以外にも、Safariのウィンドウ内でのタブそのもの表示方法や機能、存在感も含めてかなり異なるものとなっている。
クイックメモは、単にメモアプリの機能を拡張したものと思われがちだが、それだけではない。システム全域に渡って効果を発揮する、やはり新しいOSの新機能として掲げるにふさわしいものを持っている。これによってメモの果たす役割、存在感は大きく拡張されるだろう。
以下、それぞれについて詳しく見ていこう。
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