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PCなしで驚愕の5K/90Hz!「VIVE Focus 3」はスタンドアローン型VR HMDの超進化系

2021年06月15日 11時00分更新

文● 高橋佑司 編集● ASCII

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オフイヤー式なのに音漏れしない

 バッテリーのほかにも快適性をアップさせるための進化は多い。まずサウンド部分では、ValveとHTCが共同開発した「VALVE INDEX」に近い、耳に直接当たらないオフイヤースタイルのスピーカーを採用している。

VIVE Focus 3のスピーカー。VIVE Proのような耳に直接当てるヘッドホンタイプではない

 耳に余計な圧迫感がないため、VRコンテンツプレイ中の没入感を妨げないデザインなのだが、VIVE Focus 3ではこのオフイヤースタイルで空間音響を作り出すために、片耳あたり2つずつのドライバーを搭載して音声を再生しているという。

 また、オフイヤースタイルのスピーカーでは外部への音漏れが気になるところだが、VIVE Focus 3は逆位層の音波を外部に向けて発生させることで、外部へ漏れる音を打ち消す設計になっている。これはイヤホンなどのノイズキャンセリングと似た仕組みで、これによって音漏れを防ぐようになっている。アプリによって、この音漏れ防止機能の強度を調整することも可能。

逆位層の音波を発し、外部に漏れる音を打ち消している

 指向性のスピーカーによる音声はかなりクリアに聞こえるが、ハイレゾ認証を取得しているオーディオジャックも搭載しているため、より音質にこだわるならばハイレゾ対応イヤホンなどを接続することでもできる。

ハイレゾ認証のオーディオジャックを搭載。なお、USB Typr-Cポートにイヤホンを接続しても認識する

ユーザーの声を取り入れた機能

 従来はダイヤルで少しずつしか調整できなかったヘッドストラップの長さが、クイックリリースボタンを押すことで一気に調整できるようになっている。これにより、ボタンを押しながらざっくりとVR HMDを固定し、ダイヤルで微調整という工程で、以前よりも着脱が容易になった。

ヘッドストラップの調整用ダイヤルの下に、クイックリリースボタンを搭載。これを押しながらストラップを動かすと、一気に開いたり閉じたりできる

 そのほか、PUレザーのフェイスパッドがマグネット式で取り外しが簡単になっており、衛生面にも配慮されている。ビジネス用途で使用する場合で、複数の人が使いまわすような場面では、その都度フェイスパッドを付け替えることで安心して使用できるようにしている。

フェイスパッドは簡単に取り外し可能

 また、VIVE Focus 3はIPD(瞳孔間距離)を従来より広い57~72mmの間で調整できるようになっており、さまざまな顔の形に合わせられるようになった。IPDはきっちりとスイートスポットに設定されていないと、VR酔いの原因にもなるので、調整の幅が広がったことで、より多くの人が快適に使用できるようになっている。

底面には音量調節ボタン、マイク、IPD調整用ダイヤルを搭載

底面のカバーを外すと、USB Type-Cポートが現れる

 細かな変化ではあるが、こうしたユーザーの声をしっかりと取り入れた新設計によって、格段に使いやすくなっていることは間違いない。

ビジネス向けの機能も進化
PC VRも利用可能

 VIVE Focus 3は、ビジネス用途向けの機能も強化された。その1つがマルチ・キオスクモードという機能で、使用可能なアプリを制限し、必要なもののみを使用できるようにする機能だ。

 例えばプレゼン時のデモンストレーションなどでVIVE Focus 3を活用する際、ゲームなど不要なアプリを起動できないようにできる。メールアドレスを登録することで、ユーザーごとにアクセスできるアプリを細かく設定することも可能だ。ユーザーの切り替えは、本体左側面に配置されたVIVEボタンを長押しすることで簡単に切り替えられる。

 また、VIVE Focus 3はスタンドアローン型のVR HMDだが、USB接続のVIVEストリーミングケーブル、もしくはWi-Fi 6でPCと接続することで、より負荷の高いPC VRコンテンツをプレイすることもできる。PC側でレンダリングしたCADデータを、5K解像度のVR HMDで確認するといった使い方も可能だという。

着用時の快適さは歴代最強

 VIVE Focus 3は、スタンドアローンで5K&90Hzの精細な映像を実現していることももちろんだが、それ以上に非常に快適な付け心地に驚かされた。重心を中央に保つ設計で前にずり落ちたりすることもなく、オフイヤーのスピーカーも音響クオリティーと耳をふさがれない快適さを両立しているのは嬉しい。

 そのほかの機能も、派手さはないが着実に快適性に影響する部分であり、VR HMDとしての総合的な完成度は極めて高いと言っていいだろう。

 VIVE Focus 3の発売日は6月30日を予定しており、直販価格は13万900円だ。バッテリーが交換可能ということで、バッテリー単体の販売も予定しているとのこと。初めてVR HMDを使うという人はもちろん、今までスタンドアローン型のVR HMDを使用してみて満足ができなかったという人にもオススメしたいモデルだ。

主なスペック
解像度 片目2448×2448ドット(両目4896×2448ドット)
スクリーン デュアル2.88インチLCDパネル
リフレッシュレート 90Hz
視野角 120度
インターフェース USB 3.2 Gen 1 Type-C×2、
無線接続 Bluetooth 5.2+BLE、Wi-Fi 6
トラックエリア条件 立位/座位両サポート
推奨プレイエリア:最大7×7m、最小1.5×1.5m

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