Casiotone CT-S1
4月23日発売
実売価格3万円前後
カシオ計算機
https://music.casio.com/ja/products/casiotone/cts1/
ピアノ形状の61鍵標準鍵盤。小さくかわいくシンプルで、弾かないときは壁に立てかけておけて、音色がめちゃ面白い。スピーカーの音も普通に良く、別売りのドングルを使えばBluetooth MIDIにも対応。これで実売3万ちょい。最高の遊び道具ですよこれは。
●去年は子どもが遊んだカシオトーン
0歳児と4歳児の保護者をしてます盛田諒ですこんにちは。なかなか外に遊びに行けなかった昨年末、家遊び用にと子どもにカシオトーンの試用機をさわらせてみたことがありました。マイク同梱でカラオケができる楽しい機種で、子どもは鍵盤をぶっ叩きながら「しゃらららんら〜!」と熱唱。子どものころピアノをやっていた妻にあわせて連弾するなど楽しく遊んでくれました。
かくいう私はピアノに挫折した身。子どもの隣でバイエルをポンポロ弾いてみると、弾けないもどかしさと楽しさが同時によみがえりました。(やっぱ鍵盤いいな……)(子どもに買ってさわらせてもらうかな……)などと言いながら試用機を返却し、半年が過ぎた4月のこと。なんということでしょう、新製品の試用機が届けられたではありませんか。カシオさんいつもありがとうございます。
●おしゃれだがしっかり鳴る
Casiotone CT-S1はピアノのような鍵盤をそなえた61鍵標準鍵盤のキーボード。外観はシンプルで上から見えるのは鍵盤と丸いボタン類だけ。キーボードにつきものの液晶画面はなく、左右のスピーカーはサランネットのような布で隠れて見えません。
サイズは幅258×奥行き930×高さ83mmと小さく薄く、重量は4.5kgで片手で持ち運べるレベル。スタンドを立ててペダルをつけてがっつり弾くのもいいですが、仕事用に使っているテーブルにゴッと置き、仕事を忘れて弾くほうが向いていそうなサイズ感です。
背面に指を軽くひっかけるところがあって持ち上げやすい仕様。乾電池駆動でケーブルなしでも鳴らせます。ストラップピンがついているので、ひもを通して肩かけにしてショルダーキーボードっぽく弾くこともできます。
ふんわりおしゃれなデザインながら、スピーカーの音はしっかり出ます。鍵盤の位置にあわせて左右に音が振られるのはもちろん、かなり大きな音で鳴るので驚きました。薄型ながらバスレフつきなので低音も量感があります。バスレフは従来機も採用していましたが、今回は薄型化のため長靴状のスピーカーボックスを新設計。スピーカーとバスレフで音の出る方向も変えているそうです。余談ですがボリュームつまみがなめらかで気持ちいいです。
●音色が大変エモい
肝になるのがリアルな出音の「AiX音源」をベースとした数々の音色。
主要音色はピアノ、エレクトリックピアノ(2種)、オルガン、キーボード、シンセ、その他の7種で、それぞれスタンダード、アドバンスト、モダン、ヴィンテージという4種のバリエーションを用意。そこに、名のある楽器の音色を再現した「ADVANCED TONES」、CZ-101やVZ-1などカシオの音色を再現する「CASIO CLASSIC TONES」を含み、合計61種類の音色が鳴らせます。
中でもADVANCED TONESに収録された音色が大変エモく、ただ鳴らしているだけで気持ち良くなれる大人向けの仕上がりになっていました。
「PHASER E.PIANO」ならフェンダー・ローズ、「AMP 60's E.PIANO」ならウーリッツァー、「AMP ORGAN」ならハモンドルガン、「VOCODER」ならRoland VP-330のボコーダーを再現。どれも一度鳴らせば「これ聴いたことある!」という音色ばかりでテンション上がります。公式サイトにサンプルが上がっているので鳴らしてもらえるとわかるかと思います。特にエレピは夜にビール飲みながらデンデレ鳴らすだけで最高になれます。最高の夜にしようぜ!(一人で)
もうひとつ面白いのが「PAD」系の音色。シンセパッドのように鳴らした音にふんわり音を重ねたりできて音遊びに使えます。
「MAGNI SYNTH-PAD」は、ピアノとシンセをユニゾンで鳴らすもの。さらに和音で弾くとシンセパッドが加わって、壮麗な音に変化します。「PIANO PAD」は3音以上を同時に弾くと、その和音にのみストリングス音色がレイヤーされるというもの。「GUITAR PAD」は強く弾くと半音下からスライドする、スチール弦のアコースティックギター。やっぱり3音以上同時に弾くとその和音にのみシンセ系のPadがレイヤーされるというもので、うまく使えると楽しそうです。
●Bluetooth MIDIキーボードにもなる便利仕様
ピアノっぽい外観ですが中身はキーボードなので機能も豊富。メトロノームは基本として、演奏を録音/再生できるMIDIレコーダー機能もついています。
背面のインターフェースは、USB(Type-A/Type-B)、ヘッドホン/オーディオ出力端子、オーディオ入力端子、ペダル端子、電源端子の6つ。USB端子に別売りの「ワイヤレスMIDI & AUDIOアダプター」というドングルをつなぐと、Bluetooth MIDIとして使うことも可能。さらにスマートフォンとBluetoothでつないでスピーカーで音楽を鳴らすこともできます。
私のようにピアノに挫折した人の再挑戦にもよさそうですが、あくまでキーボードなので、バッハやショパンやラヴェルを弾くなら普通の電子ピアノを買った方が幸せになれそう。どちらかというと寝る前に酒を飲みながら好きなフレーズをデンデン弾いたり、MIDIで遊ぶのに向いていそうな鍵盤です。ピアノの入り口としては邪道と言われそうですが、私にはこれくらいの軽さが合ってるのかも。まずはビールを買ってきてイメトレからスタートですね!
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。4歳児と0歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
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