地元の人には21ユーロで参加できる安売りチケットをバラマキ
なんとか目標の人数を集める算段か
昨年初めに中国で感染拡大が報じられた新型コロナ。そう言えば、最初に影響を受けたのがMWCだった。2月末の開催に対し、GSMAは2週間前に中止を発表した。だが、当時のスペインにとって、新型コロナは対岸の火事だった。来場者の5%程度を占めると言われる中国からの来場者がウイルスを運ぶのではという懸念が最大の理由だったのだ。
昨年の筆者は、航空券も宿も手配済みだったので、予定どおりに現地に行ったが、バルセロナでマスクをしている人は見かけなかった(ただし、経由地だったイタリアではマスクを着けた人をよく見かけた)。あのとき、バルセロナに住む友人カップルと呑気にご飯を食べたが、その後バルセロナはコロナの渦に巻き込まれ、男性は職を失ったと聞いた。友人である女性は元から在宅だったので影響は限定的だったようだが、2人ともまだワクチン接種を終えていないそうだ。
現時点でバルセロナの感染者数は落ち着いているものの、「感染力の強いとされる変異種を考えると余談はできないという状況」と彼女は言う。チャットでやりとりしたのだが、MWCのリアル開催について「ちょっとクレイジー。非現実的」と書いている。
過去MWCで行ったときに何度か泊まらせてもらったアパートの持ち主(ウクライナ人)にも聞いてみたところ、料金を(例年のMWCよりも)低めに設定したが、まだ予約はないとのこと。それでもキャンセルポリシーについて問い合わせがあったらしい。予約サイトで彼女のアパートの値段を6月27日から7泊で見てみると、数年前に1週間で約12万円払った部屋が、7万円ほどに設定されていた。
GSAMはMWCの期間中、スペインに住んでいる人3万人に21ユーロ(約2800円)の入場券を販売するとしている。一応、自動車、運輸、製造、メディアと業界を限定しているが、人数稼ぎのように見えなくもない。ちなみに、通常のパスは最も安いもので768.90ユーロ(税込、約10万3000円)、VIPは4614.50ユーロ(税込、約61万8000円)。安売りチケットのバラマキで、なんとか3万人をクリアしようということなのだろうか?
そう言えば、前述のバルセロナの友人からは、「東京五輪開催もクレイジーだよね」という言葉をもらっている。
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