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スーパーストリーム、請求書に特化したAIエンジンを利用したクラウドオプションサービスを発表

明細情報まで自動データ化「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」

2021年05月25日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループのスーパーストリームは2021年5月24日、会計システム「SuperStream-NX 統合会計」向けの新たなオプションサービスとして「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」を発表した。OCRによる請求書解析に特化したAIを搭載しており、非定型の請求書でも明細情報までを画像から読み取り、仕訳データを自動生成してSuperStream-NXへ連携する。6月1日からクラウドサービスとして提供を開始。

「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」の利用イメージ

スーパーストリーム 代表取締役社長の角田聡志氏、同社 取締役 企画開発本部長の山田誠氏

AI-OCRオプションを強化、明細項目/金額まで読み取り可能に

 スーパーストリーム 取締役 企画開発本部長の山田誠氏は、今回の製品は2020年8月に発売した「SuperStream-NX AI-OCR(請求書)」の上位製品に位置づけられると説明した。請求書の合計金額だけでなく明細金額まで、また見出し項目だけでなく明細項目まで解析する。

 「1つの請求書に複数の勘定科目情報が含まれる場合に対応でき、請求書の明細情報まで画像解析する。煩雑な請求書の入力業務負担軽減と業務効率化を実現し、入力ミス削減や残業時間の削減にもつながる。コロナ禍においても、経理および人事担当者は(請求書処理のため)出社を余儀なくされる状況にある。社内外の紙の撲滅やクラウドの利用、AIやRPAの活用によって、経理部門のリモートワークの実現を支援できる」(山田氏)

 具体的には、アップロードされた請求書PDFファイルを、画像解析Aと自動仕訳AIで処理して仕訳データを作成、伝票を自動生成する。担当者はSuperStream-NXの画面上で、請求書PDFを見ながらAIが入力したデータを確認する。その後はワークフローに従って承認処理を行えば、支払処理に連携される。

入力業務から支払処理までの主な流れ(従来との比較)

 スーパーストリームでは、ユーザーが受領して読み取った大量の請求書データを日々AIにディープラーニングさせ、読み取り精度を高めているという。請求書に記載されている住所、請求書番号、支払日、請求金額のほか、請求書明細に複数行に分かれて記載されている製品名、数量、単価、金額などの情報も画像解析できる。

 「会社名に会社印が重なり、社名が読み取りにくい場合にも、表記されている電話番号などから(取引先マスタなどを)逆引き検索して処理できる」(山田氏)

 仕訳データの自動作成では、読み取った請求書情報から勘定科目を推論するとともに、複数の勘定科目や部門に振り替えた仕訳データを作成し、その信頼度と合わせて会計システムに連携する。特殊な仕訳ルールが存在する場合には、個社別のルール設定も行えるため、仕訳の精度はさらに高めることができる。

 また、読み取った請求書ファイルはエビデンスとして仕訳データに添付され、SuperStream-NXに自動連携。SuperStream-NXの「証憑管理e文書対応オプション」と組み合わせると、電子帳簿保存法やスキャナー保存制度にも対応したかたちで保存ができ、ペーパーレス化を推進できる。

 山田氏によると、SuperStreamユーザーへのアンケートでは「AI-OCRを業務に利用したい」とする企業が53%に上ったという。さらに、導入によって「約4割の業務が削減できるという期待がある」という。

 「AI-OCR(請求書)を導入しているクミ化成では、決算時の残業時間が約60%にまで削減でき、各拠点の経理担当者の残業もほぼ一掃し、経理部門のリモートワークも可能になったという効果が出ている」(山田氏)

 SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)はサブスクリプションモデルで提供される。年間の請求書処理枚数が480枚までのSプランは年額180万円から、同 1万2000枚までのMプランは年額360万円からとしている(いずれも税抜)。山田氏は「伝票入力作業を行っている派遣社員1、2人分のコストで利用できる」とした。

 「他社が提供するAI-OCRは、画像判定や画像解析はできるものの、それだけにとどまっているのが現状。当社の場合は請求書の解析に特化しており、勘定科目を推論することができる。さらに、クラウドモデルによりAIが賢くなる点も大きな特徴で、5年後、10年後には他社のAI-OCRとは圧倒的な差がつくことになるだろう」(山田氏)

2021年末までに1万社へのSuperStream-NX導入を目指す

 SuperStreamは、1995年6月に初版が発売された会計・人事システム。2021年3月末時点で9779社への累計導入実績を持ち、そのうち上場企業が822社を占める。2009年からは現行製品のSuperStream-NXを主力としており、20種類以上のソリューションを提供している。

 スーパーストリーム 代表取締役社長の角田聡志氏は、「SuperStreamを、中堅大手企業市場に積極的に展開し、2021年12月末までに1万社への導入を目指す」と意気込む。

 角田氏は、SuperStream-NXの重点戦略として、圧倒的なUX(ユーザー体験)と最先端のBXテクノロジーの採用、スピード感のある商品企画と開発力による「ダントツな製品力」、サブスクリプションによってビジネスモデル変革を促進する「クラウド変革」、85社のソリューションパートナーおよびテクニカルパートナーとの協業を推進する「パートナーシップ」の3点を挙げた。

 「ERP市場の成長は横ばいだが、そのうちのSaaSは2024年までに4倍に増加すると見込まれている。(ユーザー企業における)クラウドへの抵抗感が薄れ、基幹システムにも採用する動きがあり、ERPパッケージの稼働環境にIaaSを導入する企業が増加している。ERP市場はクラウド時代に突入した。2021年度には、クラウド専門部隊のSSクラウド部を新設し、クラウド変革を推進していく。『日本の会計・人事を変える。もっとやさしく、もっと便利』を合言葉に、今後も継続的により良い製品を生み出していく」(角田氏)

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