サムスン電子の5G対応スマートフォン新機種「Galaxy S21」シリーズの最上位モデル「Galaxy S21 Ultra 5G」がドコモから発売された。1億画素超のイメージセンサーを搭載するなど4つのカメラを搭載し、写真・動画共に高度な撮影ができるのが大きな特徴で、一層進化したカメラを中心に、その機能・性能について迫ってみたい。
“出っ張り”はやや軽減されたが重量は増す
まずは外観を確認してみよう。Galaxy S21 Ultra 5Gは約6.8型と大画面の有機ELディスプレーを搭載しており、サイズは約75.6×165.1×8.9mmと、昨年auから発売された前機種の「Galaxy S20 Ultra 5G」(約76×166.9×8.8mm)とほぼ変わらない。大画面モデルの「Galaxy Note20 Ultra 5G」(77.2×164.8×8.1mm)と比べても厚さ以外は近いサイズ感といえる。
ただ重さは約229gと、Galaxy S20 Ultra 5G(約222g)、Galaxy Note20 Ultra 5G(約208g)と比べても重い。200g台のスマートフォンが増えてきているとはいえ、やはり片手で持つとずしりと感じるというのが正直なところだ。
そしてもう1つ、言及が必要なのはカメラ部分の出っ張りである。ここ最近のサムスン電子製ハイエンドモデルは非常に高いカメラ性能を持つ一方、カメラの出っ張りも非常に目立つ傾向にあることから、Galaxy S20 Ultra 5GやGalaxy Note20 Ultra 5Gなどはケースに入れないと安心して使えない印象を受けた。
そうしたこともあってかGalaxy S21シリーズはカメラ部分はやや工夫がなされており、側面部分が滑らかなカーブのあるデザインを取り入れることで出っ張り部分の引っ掛かりを軽減している。とりわけ出っ張りが大きいGalaxy S21 Ultra 5Gはそのデザインが功を奏し、側面の引っ掛かりはだいぶ緩和されたように感じる。
もっとも内側の出っ張りは従来と変わらず引っ掛かりがなくなった訳ではないので、ケースを装着して利用した方が無難だろう。ただケースを付けると重量が一層増してしまうのが悩みどころだ。
画面のカーブは抑えめ、5Gのための工夫も随所に
カメラ部分以外のデザインを確認すると、ディスプレー前面はこれまでのGalaxy Sシリーズを踏襲し、有機ELを生かしてカーブがかかったデザインとなっている。ただ以前と比べるとカーブのかかり具合はかなり緩やかで目立ちにくくなっているようだ。
近年デザイン性を重視してカーブドディスプレーを採用する機種は増えているのだが、落とした時に割れやすかったり、操作性でやや難を感じたりするのも確かで、好みが分かれる傾向にもある。それゆえかGalaxy S21シリーズもカーブドディスプレーを採用しているのはGalaxy S21 Ultra 5Gのみで、そのカーブもあまり目立たない程度に抑えられるなど、実用性重視にシフトしたといえそうだ。
ほかにも前機種と比べ変化した点がいくつかあり、背面素材がマット感のあるガラス「Gorilla Glass Victus」を採用しているほか、側面を見ると随所にアンテナ用と見られる色違いの箇所が見られるようになった。これらは5G、とりわけミリ波の受信感度を高めることが狙いと考えられる。
それ以外の部分については、USB端子がType-Cでイヤホン端子がないなど、最近のハイエンドモデルを踏襲した内容だが、近ごろ搭載機種が増えているGoogleアシスタントキーがないのには好感がある。なお、生体認証は簡易的な顔認証と、ディスプレー内蔵型の指紋センサーの2つが利用可能なので、コロナ禍での現状では安心感は高い。

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