星野リゾート 界 別府、コンセプトは「ドラマティック温泉街」
星野リゾートは4月14日、オンラインで記者会見を開催。
6月の新規開業を予定している大分県別府市の「星野リゾート 界 別府」や、都市観光ホテル「OMO(おも)」の新規開業施設についての詳細を解説したほか、代表取締役社長の星野 佳路氏が、アフターコロナの旅行に関する見解、今後の同社の取り組みについても話した。
「星野リゾート 界 別府」は、大分県・瀬の本温泉の「星野リゾート 界 阿蘇」、鹿児島県・霧島温泉の「星野リゾート 界 霧島」に続く、同社による3つ目の九州地方の宿泊施設だ。
コンセプトは「ドラマティック温泉街」。館内は、和紙のちょうちんが照らす石畳の路地や、温泉街にある土産店、夜店(よみせ)をイメージした空間など、賑やかな別府の温泉街を彷彿させるつくりにした。
すべての客室からは別府湾を望め、時間帯により色が変わる空や海の様子が楽しめる。館内にいながら、別府温泉街を散策しているかのような気分になれるのが、大きな魅力だという。
デザインを手がけた建築家の隈研吾氏は、「『界』の中に『昔の温泉街の輝き』みたいなものをデザインで作ることができたら、『界』が目指す新しい日本の旅館にとって、エポックメイキングになると思った。
(星野リゾートは)日本の宝を世界に向けてデザインし直すということをやられていて、僕が建築でやろうとしていることと同じだと思っている。そういう意味で、ひとつの同志として、やりがいのある仕事」とコメントした。
「星野リゾート 界 別府」の開業日は6月4日を予定しており、予約は4月14日からスタートしている。
2021年、2022年にかけても、多くの新規開業を予定
新型コロナウイルスの感染拡大により、観光業界にとっては苦境とも言える状況が続いているが、同社は2021年、2022年にかけても、多くの新規開業を予定している。
2023年までに開業予定の施設も含めると、国内外を合わせて、同社の運営する宿泊施設は64施設にものぼる。そのうち、9施設を占めるのが「OMO(おも)」というブランド名の、都市観光ホテルだ。
中でも、京都府には3拠点を新規開業する。「OMO3京都東寺」と「OMO5京都三条」が4月15日、2021年の秋期には「OMO5京都祇園」の開業も予定している。
また、5月13日には沖縄県那覇市に「OMO5沖縄那覇」を、2022年から2023年にかけては、大阪府に「OMO5大阪新今宮」を、山口県に「OMO下関(仮称)」を開業する予定だ。
同社はOMOブランドの都市観光ホテルを2018年にスタートし、現在は東京と神奈川で3施設を運営している。今回オープンする京都の3施設は、いずれも、もともとはWBFホテル&リゾーツが運営していたホテルだ。
元運営会社のWBFホテル&リゾーツは2020年4月に経営破綻をしたが、その後6月には、星野リゾートが同社のスポンサーに就任するという内容の合意書を交わした。OMOブランドのコンセプトは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」。星野リゾートが既存のホテルを全面的に作り替え、新たな都市観光ホテルとして生まれ変わらせたとも言える。