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「日本に特化したIoT製品を多数投入」realme国内トップに聞く、日本市場の展開戦略

2021年04月08日 11時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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realmeの日本上陸はスマホ向けアクセサリー
ワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリーを販売予定

 日本についにrealme(リアルミー)が参入する。海外では低価格・高品質なスマートフォンで急激にシェアを伸ばし、またヘッドフォンやモバイルバッテリーなど数多くのアクセサリーを展開している。realmeは日本市場でどんな製品を展開し、どのような層をターゲットにするのか。realmeを日本で展開するシンガ・ジャパンの代表取締役社長 賀 夢瀟(He Mengxiao、カ・モンショウ)氏に戦略を聞いた。

シンガ・ジャパン 代表取締役社長 賀 夢瀟氏

──realmeとはどんなメーカーなのか。現在どのような地域で製品を展開しているのか?

賀社長 realmeはインテリジェンスな製品を展開するブランドとしてインドで立ち上げられ、現在は61の国で製品を販売している。2019年6月からはヨーロッパなど先進国市場にも参入した。ターゲットユーザーは若い層で、最新のテクノロジーを追いかけるだけではなく、高品質な製品の開発を常に意識している。「大胆に新しいものに挑戦する」これがrealmeの製品開発のDNAになっている。

──スマートフォンは現在世界シェア7位とのこと。どうやってわずか数年でここまで成長できたのか?

賀社長 realmeの製品は既存の枠組みにこだわらず、高い品質の製品開発に注力している。製品設計やデザインコンセプトなど、消費者の方々に驚きや感動を与えることを常に考えている。realmeのスマートフォンは性能・デザイン・品質の面で、今のグレード、すなわち同じ価格の製品の中でも高いグレードを提供している。これが躍進の原動力になっている。

realmeのスマートフォンの各国でのシェア。グローバルでは7位だ

──海外ではOPPOやOnePlusとどのような製品の差別化をしているのか。(注:OPPO、OnePlus、realmeは同じ「Oujia Holdings」傘下であり、realmeはOPPOから2018年に独立した)

賀社長 スマートフォン市場ではどのメーカー・ブランドもお互いが競争関係にある。OPPO、OnePlus、realmeは製品デザインにしてもブランディングにしても、それぞれ独立して展開を行なっており、ターゲット層も違う。特にOPPOは長年の歴史があり、製品展開の方向性はrealmeとは大きく異なっている。realmeは若い層の求める「スタイリッシュ・ファッショナブルな製品」を重点的に展開している。

──日本市場参入についておききしたい。なぜ日本にはスマートフォンを投入せず、ヘッドフォンやスマートウォッチ、モバイルバッテリーを投入すると決めたのか

賀社長 これからは5GとIoTの成長が見込める時代だ。歴史のあるスマートフォンメーカーは長年スマートフォンの販売を行ない、最近になってからIoT機器の展開をし始めている。一方、我々は本当に若いブランドであり、我々が生まれた時からすでにIoT製品が市場には存在していた。そのため、最初にIoT製品から展開することは自然なことと考えている。

 また、IoT製品はスマートウォッチやヘッドフォンだけではない。スマートホームなど製品のバリエーションはとても多い。realmeは数多くのIoT製品を海外で展開しており、日本市場にも積極的にそれらを投入したいと考えている。

今回日本に投入するIoT製品。左上から時計回りに「realme Buds Air Pro」「realme Buds Q」「realme Buds Wireless Pro 」「realme watch s」

──日本ではどのようにrealmeのブランドを認知させようと考えているのか? 海外ではOPPOの知名度がrealmeの知名度アップにもつながったと思うが、日本ではどう考えているか

賀社長 まずOPPOとrealmeはターゲットとする層は大きく異なっている。OPPOは一般消費者を広く狙っているブランドだ。realmeは「Z世代」と呼ばれる若い世代をターゲットにしている。広告展開にしても、OPPOはイメージキャラクターを使ったテレビCMを打ち出しているが、realmeが狙うZ世代はオンラインとの親和性があり、ターゲットユーザーとのコミュニケーションもオンラインツールを重視しようと考えている。製品の体験もオンラインで実施するなど、積極的に新しい取り組みを行なう予定だ。オンラインでより密な関係を作り上げることで、製品に対する認知度やロイヤリティーを高めたいと考えている。また、そこから消費者のニーズをつかむことで、今後どんな製品を投入していくかを検討していきたい。

──今回の新製品の一つ、モバイルバッテリーはすでに日本では多数の製品が販売されているカテゴリーだ。realmeはその中でどのような差別化を図っていくのか?

賀社長 今回日本に投入するスマートウォッチ、ヘッドフォン、モバイルバッテリーはいずれもすでに日本で数多くの製品が販売されていることは熟知している。競争は激しいだろう。たとえばモバイルバッテリーを選ぶとき、よりファッショナブルでスタイリッシュな製品であれば若い世代の興味を引くだろう。また大容量であり3つの充電方式があるなど使い勝手も良い。realme製品はスマートフォンでもIoT機器でもアクセサリーでも、同じ価格帯の競合他社品と比べてより高いデザインやグレード、スペックを提供している。価格を超えた、いい製品を提供することで感動を与えたいと思う。

 また市場にはノーブランドの製品もあるし、多くの消費者はどのメーカーの製品を選んでいいか悩むこともあるだろう。グローバルブランドがいい品質のものを提供し、しっかりとサポートをしていくことで製品を選んでもらえると考えている。

realmeのモバイルバッテリー。大胆なデザインも特徴だ

──日本市場全体に関してのイメージはどのように持たれているか?

賀社長 日本の消費者は製品への知識が高く、独自の高い品質基準を持っていると思う。そのためrealmeは日本をほかの国と同じとは考えず、日本単独の市場として製品展開やマーケティングを行おうと考えている。日本の文化や習慣を習得し、製品にフィードバックさせることで日本の消費者の方々に受け入れられるブランドにしていきたい。

★★★

 realmeはスマホが控えており、今回投入するモバイルバッテリーなどの様子を見ながらいずれはスマホも投入していくに違いない。realmeのスマホはデザインもよく、スペックと価格のバランスが良いので本国で徐々にシェアを伸ばしている。日本ではほかの中国メーカーが存在感を増しつつあるが、今後realmeがどうやって割って入ってくるのか楽しみにしたい。

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