ABTオンのみならず、OCを含め、Core i9-11900Kの性能を引出したい方が選びたいマザーボード
Core i9-11900Kのベンチマークテストでわかった、MEG Z590 ACEはさすがハイエンドモデルと呼ぶべき確かな設計
先日、Rocket LakeことCore i9-11900Kのmsi×intel評価キットの開封の儀を行った。そして3月30日、ついにベンチマーク等詳細なデータが公開可能になった。CPUのレビューというよりは合わせてマザーボード「MEG Z590 ACE」がメインとなるがさっそく性能を見てみよう。
Core i9-11900Kで使える第4のブースト「ABT」
まずCore i9-11900Kから説明しておこう。Core i9-11900Kは第11世代Core i9ラインナップ中で定格およびターボブースト時のクロックがもっとも高く、iGPUを搭載しており、かつアンロックモデルである。動作周波数は定格が3.5GHz、ターボ時の最大が5.3GHz。TDPは125W、コンフィグラブルTDP-downが95W@3GHzだ。
第11世代と第10世代のCore i9比較表 | ||
---|---|---|
CPU | Core i9-11900K | Core i9-10900K |
製造プロセス | 14nm | 14nm |
コア/スレッド数 | 8/16 | 10/20 |
定格周波数 | 3.5GHz | 3.7GHz |
最大周波数 | 5.3GHz | 5.3GHz |
キャッシュ | 16MB | 20MB |
TDP | 125W | 125W |
cTDP-down | 95W@3GHz | 95W@3.3GHz |
メモリ | DDR4-3200 | DDR4-2933 |
iGPU | Intel UHD Graphics 750 | Intel UHD Graphics 630 |
ブースト | Turbo Boost Technology Turbo Boost Max Technology 3.0 Thermal Velocity Boost Adaptive Boost Technology |
Turbo Boost Technology Turbo Boost Max Technology 3.0 Thermal Velocity Boost ー |
第10世代Coreと比較して性能がどうなのだろうか。Core i9-11900Kの8コア16スレッドは、第10世代Core i9-10900Kの10コア20スレッドよりも2コア4スレッド分少ない。それにともないキャッシュ容量も4MB少ない。
ただ、Core i9-11900Kはより新しい世代のCore i9だ。アーキテクチャの進化でIPCを向上し、一方で実動作クロックはこれまのブースト機能にもうひとつ新たなブーストを加えて性能引き上げを測っている。
Core i9-11900Kおよびi9-11900KFだけが利用できる特別なブーストが「Adaptive Boost Technology」(ABT)だ。ABTは、資料を読むかぎり、使用するコア数が少ない状態というよりもマルチコア使用時に効くブーストだ。ただし前提として冷却および電力に余裕が必要だ。電源は別として、評価キットに360クラスの水冷CPUクーラー「MPG CORELIQUID K360」が付属したのはこのためと言える。
評価キットに含まれるMEG Z590 ACEにも、ベータ版のABT対応BIOSが配布された。ABTの設定は、BIOSの詳細設定、「OC」項目中にある。そしてデフォルトはDisabledだ。Core i9-11900KでPCを組む方はおそらくハイエンドCPUクーラーを組み合わせると思われるが、何らかの理由でメインストリーム級のCPUクーラーで動かすシチュエーションもあるだろう。それを想定してのDisabledだろうか。とにかく、ABTを利用するために必要なのは、ここをEnabledにするだけだ。
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