シャオミの折りたたみスマホを発表!
開くと8型でタブレット級の大きさ
3月29~30日の2日間、シャオミはオンライン発表会を開催した。その中でも世界中をあっと驚かせた製品がシャオミ初となる折りたたみスマートフォン「Mi MIX FOLD」だ。また、スマートEV(電気自動車)に参入することも大きな話題になった。数年後には「シャオミカー」が市場に登場しそうだ。
Mi MIX FOLDは開くと8.01型、閉じると6.52型のディスプレーになる折りたたみ型のスマートフォンだ。サムスンの「Galaxy Z Fold2」、ファーウェイの「HUAWEI Mate X2」同様に内側に折りたたむディスプレーを採用している。開いた時の解像度は2480x1860ドット、閉じたときのディスプレーは2520x840ドットとなる。なお外側のディスプレーのみリフレッシュレートは最大90Hz対応となる。
先行2社の折りたたみモデルと比べると、一般的な動画を再生したときに、ディスプレーを開いた時のコンテンツの画面表示占有率は75%。他社は70%(Galaxy Z Fold2と思われる)、63%(HUAWEI Mate X2と思われる)と狭い。Mi MIX FOLDのほうが高い没入感を得られるという。
カメラは閉じたときの背面のみに配置。開いたディスプレーにはフロントカメラは搭載されない。そのため全画面を表示領域として利用できる。10億色表示、Dolby Vision HDRにも対応している。
折りたたみディスプレーは強度が気になるが、ディスプレーの折曲げ試験は100万回に合格している。またヒンジ部分は20万回の開閉テストをクリア。ヒンジは各パーツそれぞれを改良し、従来型のヒンジに対して27%の軽量化も実現したとのこと。
開いた時の大型ディスプレーを活用できるユーザーインターフェースも新たに搭載される。「デスクトップモード」ではPCのような画面表示となり、ディスプレー下部のツールバーやデスクトップ上にアイコンを配置し、マルチウィンドウでの操作ができる。また、Androidの通常モードでも2つのアプリを同時に表示することが可能で、片側にギャラリーを表示、もう片側にSNSやチャット画面を表示し、ギャラリーから複数の写真をドラッグ&ドロップして添付するという操作も簡単にできる。
カメラは3つ搭載し、4つのレンズとして動作する。メインカメラは1億800万画素、超広角カメラは1300万画素、そしてもう1つが望遠とマクロに両対応する業界初の液体レンズ採用のカメラを搭載する。
液体レンズは複数のレンズ構成の代わりに液体を使って光の屈折率を変えるレンズ技術で、スマートフォンのような小型の製品への搭載に適している。Mi MIX FOLDの液体レンズは画素数が800万画素で、3倍の望遠と80mm相当のマクロに対応。望遠とマクロという2つのレンズを1つに収めることに成功している。
またカメラの制御として自社開発したISP(Image Signal Processor)、「Surge C1」を搭載。オートフォーカス(AF)、自動ホワイトバランス(AWB)、自動露出(AE)などの制御を、Mi MIX FOLDが採用するクアルコムのSoC、Snapdragon 888を用いず、Surge C1で制御する。
価格はメモリとストレージ構成が12GB+256GBモデルで9999元(約16万8000円)と、1万元を切る価格とした。12GB+512GBモデルは1万999元(約18万5000円)となる。さらにセラミックボディーを採用した特別モデルは16GB+512GBで12999元(約21万8000円)。
シャオミが自動車を発表!
ついにEVに参入!
シャオミはMi MIX FOLDと共に、新たなビジネスに参入することを発表した。それはスマート電動自動車(EV)への参入だ。シャオミのスマートEV参入は以前から噂はされていた。レイ・ジュンCEOはスマートフォンでトップ3に上り詰めた経験と、スマート家電を含むエコシステム構築を完成させたことによりこの事業への参入を正式に決定したと発表した。
現時点では具体的な計画は公開できないものの、今後10年間で100億ドル(約1兆1000億円)を投資する予定と、計画は壮大だ。向こう3年間で、まずは100億元(約1680億円)を投資してスマートEVを開発する。
シャオミのスマートEVはシャオミ製品との連携はもちろんのこと、スマートシティーのインフラの一環として自動運転を視野に入れたものになると予想される。シャオミのスマートフォンやスマート家電は価格破壊を起こしただけではなく、「中国製品は低品質」というレッテルを破壊し、世界中の消費者から高い信頼を得ている。シャオミのスマートEVが自動車産業に新しい風を吹き込むことができるのか、これから10年の動きに注目される。