ソフトバンクとAIメディカルサービス（以下、AIM）は3月26日、「内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）」において採択された、「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」の社会実装に向けたプロジェクト（以下、AIホスピタルプロジェクト）の一環として、内視鏡検査の映像を5G（第5世代移動通信システム）で伝送して、AI（人工知能）で画像診断補助を行なう実証実験を3月3日と3月4日に実施した。
AIホスピタルプロジェクトは国内では少子高齢化や過疎化の影響で、地域間における医療格差が生じている他、医療の高度化・複雑化に伴って、専門医の不足や医療関係者の負担が増加しているという課題を解決するために、医療現場での診断や治療などさまざまな場面においてAIで支援する医療AIプラットフォームを、医療機関などに幅広く提供することを目指している。
本実証実験では離島や過疎地の病院などから遠隔地の専門医に対して、患者の内視鏡検査の映像を5Gでリアルタイムに伝送し、専門医がAIを活用してがんなどの診断補助を行なうケースを想定した実験を行なった。AIMが開発し、内視鏡と連携してAI画像解析により疾患有無の判断補助を行うシステム（以下、AI画像判定システム）と、ソフトバンクの5Gネットワークを活用した。
伝送された内視鏡検査の映像を確認する様子／AI画像判定システムの画面
検証結果は通常の内視鏡検査時と比較して、画質やスムーズさにおいて4Gでは映像の乱れがあったが、5Gではほぼ遜色がなかった。4Gでは映像の乱れの影響により小さな病変を確認できない、または判断に迷う場合もあるが、5Gでは微細な血管やポリープなども鮮明で確認しやすい。
また、内視鏡から直接画像を読み込んだ場合と比較して、5G／4Gを経由した場合ではほぼ同等の正しい数値を算出するなど、遠隔診断補助システムを実現する上で、5GおよびAI画像判定システムの有用性が十分にあることを確認した。
両社は今後も、5GおよびAIを活用した遠隔診断補助システムの開発を共同で進め、AIホスピタルプロジェクトの医療AIプラットフォームへ実装することを目指していくという。
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