「IKEPOD」甦ったデザインウォッチの傑作
アートの世界には、何百年も前から愛されてきた伝統的な作品がある一方で、そうした伝統的な形式にとらわれない現代的なアート作品もあって、それぞれにファンがいます。そして時計の世界で「現代的なアート作品」に当たるのが、時計以外の世界で活躍する工業デザイナーが手がけたデザインウォッチ。
1990年代半ばの1994年に創立された「IKEPOD(アイクポッド)」は、このデザインウォッチの世界で、今も伝説として語り継がれる存在です。
ドイツ人の実業家とともにこの時計ブランドを立ち上げたのは、現代を代表する工業デザイナーのマーク・ニューソン。「空飛ぶ円盤のような」ケースのフォルムにスイス製の機械式ムーブメントを搭載したこの腕時計はかなり高価でしたが、伝統的なスタイルの時計に飽きていた世界のセレブリティに支持され、2000年代も発展を続けます。しかし2012年にブランドは残念ながら休止状態となってしまいます。
ところがうれしいことに2018年、アイクポッドはかつてのファンだった新オーナーの下、待望の復活を果たしました。
今回オススメするのは、アイコニックなケースデザインはそのままにデザイナー エマニエル・ギョエによって再考された、アイクポッドのエッセンスをシンプルに凝縮した2針モデル「デュオポッド」。伝説のデザインをより多くの人が楽しめるように、ムーブメントをクォーツに変更したことで、10万円を切る税込みでも8万円台という驚きの価格を実現しています。
クロノグラフモデルの「クロノポッド」も、クォーツムーブメントを採用することで10万1200円という価格を実現。さらにオリジナル同様の機械式モデルが欲しいという人には、日本製の機械式ムーブメントを搭載することで機械式でも優れた精度と信頼性、15万9500円という価格を実現した3針モデル「メガポッド」もオススメです。
オリジナル誕生から25年以上の時間が経過しましたが、そのデザインは今も新鮮。その魅力はまったく色褪せていません。モダンなデザインアイテムが好きな人にはぜひオススメしたい、ぜひ実物を見てほしい、触れてほしい時計です。
IKEPOD「デュオポッド」
クォーツ。ケース径42mm。ケース厚16mm。SSケース。シリコンストラップ。5気圧防水。8万4700円
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