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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第134回

半数の人がiPhoneにパスコードロックをかけていなかった。Touch IDが出るまでは

2021年03月08日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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 アップルは2021年に入り、プライバシーに関する主張をより強めました。そのためGAFAの一角であるFacebookと対立しています。Facebookはユーザーへの広告表示を主たるビジネスモデルとしており、アップルとしては「ユーザーの情報で商売をしている」点がどうしても許せないのです。

 アップルとしては、プライバシーは守られるべき権利であり、これを侵すことは許せないという姿勢です。一方Facebookは、広告ビジネスを展開する自由を侵してはならないという主張です。対立軸や守られる対象が異なっているため、なかなか相容れない構造が見えてきます。

 どちらかというとアップルは世論、Facebookは原則論という印象もあり、それ故に戦い方や訴える相手も異なっています。アップルが一般の人々に対して、プライバシーは権利であると訴えているのものそのためです。

 その一方、アップルはApp StoreにおけるEpic Gamesとの係争では、App Storeの規約という原則論で、Epicがこれに違反している点から正当性を主張しています。

 もちろん裁判となれば、それぞれ別の裁判として判断されることになりますが、必ずしもアップルがすべて世論の側に立っているわけではない点を確認できます。当然と言えば当然ですが……。

 プライバシーを訴えるアップルの取り組みの中で、そのベースとなっているより大きな主張としてセキュリティがあります。セキュリティなくしてプライバシーなし、というのは当たり前といえます。

 いくらソフトウェア的にプライバシー対策が施されていても、デバイスやOSのセキュリティが緩く、端末のデータを見られてしまえば守りようがなくなるからです。

 2021年2月19日、アップルはセキュリティへの取り組みを記した約200ページの文書「Apple Platform Security」を公開しました。アップルのウェブサイトから英語のPDFをダウンロードして読む事ができます。

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