小泉さんも大好き! 「ここにしかない」ユニークで独創的なラーメン ハイデン.コッコFACTORY マルソン(東京・河辺)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第48回
2021年03月01日 12時00分更新
今回のオスス麺は、河辺駅北口から徒歩13分ほどの所にある人気店「ハイデン.コッコFACTORY マルソン」。
つけ麺専門店「丸孫商店」として2011年11月2日にオープンし、今年で10年目を迎えようとしている青梅市を代表する人気店の一つ。
オープン当初の硬いイメージから段々とメルヘンチックな雰囲気になり、店名もいつの間にか「ハイデン.コッコFACTORY マルソン」と変わっていった不思議なお店です。
既に「マルソン」創業者の丸山さんに取材された記事を【フジテレビプロデューサー赤池洋文が紡ぐ!読むだけで美味しいラーメン「物語」】第18・19回で赤池さんが非常に詳しく書かれていますので、丸山さんやマルソンの深い歴史に関しては、赤池さんの記事をご覧下さい。
(前編 https://ramen.walkerplus.com/article/4016670/)
(後編 https://ramen.walkerplus.com/article/4016674/)
実は、赤池さんの記事が素晴らしかったので、私は「マルソン」に関してのコラムを書くつもりはありませんでした。
ならば何故今回「マルソン」を取り上げさせていただいたかというと、昨年11月に「マルソン」は二代目店主に受け継がれた事もあり、二代目店主の紹介を兼ね、赤池さんとはまた違った角度で改めて「マルソン」というお店を紹介したいと思い至ったからです。
福生市にある2号店「ハイデン.コッコFACTORY らーめん凛々(リリィ)」は、引き続き「マルソン」の創業者である丸山さんが店主として舵を取っていますが、昨年11月から「マルソン」の経営はスタッフとして働いていた「サマンサ.タマサ」さんに委ねられ、新店主として腕を振るっています。
新店主「サマンサ.タマサ」さん(以下「タマサさん」)は、本名の一部から「タマサ」、更にTVドラマ「奥様は魔女」の魔法使いのサマンサから拝借した「サマンサ」をプラスして、魔法使いの様なラーメン職人になって欲しいという思いを込めて丸山さんが付けてくれたニックネームとの事。
同様にスタッフにはそれぞれ特徴的なニックネームが付けられていて、他のラーメン店とは違う「マルソンワールド」を垣間見る事が出来ます。
タマサさんは、学生の頃にラーメン店でアルバイトした事で飲食業に興味を持ち、高校卒業後に都内の某寿司店で2年間修業。その後、居酒屋やバー、某有名ラーメン店で4年間の修業を経て、マルソンに入ったとの事。
朝から夜遅くまでという拘束時間の長い飲食店が多い中、「マルソン」では殆ど日中で仕事を終わらせる事が出来るスタイルなのでプライベートも充実させる事ができ、働き方の概念が変わり、その分働いている時の集中力や気持ちがアップする事に繋がっているとの事。
タマサさんが21歳の頃、勤務していたバーの尊敬するオーナーが「これからはラーメンの時代だ!」と、確信をもって言っていた事が印象的で「いつか自分もラーメン屋をやりたい」と漠然と思っていたようですが、そのチャンスは突然やってきました。
ご自身でも何故だか分からないとの事ですが、丸山さんが「タマサ君ならお店を譲っても良い」と言ってくれた事に始まり、本当に人気店「マルソン」の新店主として舵を取る事になったとの事。
スタッフであった頃とはその責任は格段に変わってくるので、楽しみだけでは無く不安も沢山あったようですが、丸山さんが見込んだだけあって、それは杞憂でしか無く、お客さんは変わらず笑顔で「マルソン」に向かい笑顔で食べ終えて帰って行きます。
さて、それでは新生「マルソン」のラーメンを紹介していきたいと思います。
お店の基本となるラーメン「魚貝煮干し中華そば」は、煮干しや節系の他、ホンビノス貝や牡蠣などを使用した豊かな風味と力強い旨味を楽しめるスープに、硬めに茹で上げた「村上朝日製麺所」の細麺を合わせたバランスの良い仕上がりで、食欲をそそるビジュアルと食べ応えを兼ね備えた一杯!
また、メンマではなく「山くらげ(茎レタス)」というレタスの仲間を使う事で、通常のメンマとは違ったコリコリとした食感でアクセントをつけてくれています。
トッピングの貝の殻置きも用意してくれる然り気無い気遣いも嬉しいポイント!
私個人のイチオシは、店名を冠した「マルソンらーめん」。
以前はメニューに載っておらず、コアな常連さんが頼む裏メニューとして存在していたラーメンが遂に表舞台に立ち、誰でも注文する事が出来るようになりました。
こちらは動物系不使用で、魚介や野菜などを使った「マルスー」と呼ばれるオリジナルのベジポタスープを使用したもので、限りなく固形に近く他には無い超粘度を持った濃厚な味わいのもの。それでいて油っこい重さは一切無く、独特の風味と旨味を楽しめるオンリーワンな味わいのスープに、「新宿だるま製麺」の手揉み太麺が合わさった最強の一杯! デフォルトでも超弩級の濃度ですが、更にドロドロをアップする事も可能というから驚きです。
私は20年間に渡り沢山のラーメンを食べ歩いてきましたが、この濃度と味わいのラーメンには一度も出会った事が無く、正に「ここでしか食べられない」超オススメのラーメン!
「マルソン」は「つけ麺専門店」としてスタートしたお店なので、つけ麺が原点であります。
オープン当時から動物系不使用のオリジナリティのあるつけ麺を提供していましたが、改良に改良を重ね、現在は当初とは全く違った味わいとなったのが、先述の「マルソンらーめん」と同様のベジポタ魚介スープを使用した「つけ麺」。
元々はこのつけ麺の為に開発されたスープで、ラーメン以上に高い濃度と粘度を持ち、こちらも他では決して食べる事の出来ないオンリーワンな一杯!
トッピングはキャベツ・切り干し大根・三つ葉とシンプルで、チャーシューを付けずに価格を抑えて提供してくれているのも嬉しい!
「油そば」は、優しくも力強く広がっていく熟成感のある醤油の厚みに、背脂の円やかなコクと軽めなこってり感が合わさった一杯。醤油ダレをかけられた生卵も一緒に提供してくれるので、浸けながら食べる事でまた違った味わいも楽しむ事が出来ます。
そして、水曜日と土曜日のみ提供する「限定ラーメン」がお店のウリでもあります。
琥珀色の綺麗な鮮魚系のラーメンの時もあれば、濃厚な動物系ラーメン、はたまた「これはもはやラーメンではない!」といったオリジナリティ溢れる一杯の時もあり、前日の夜まで何をやるかわからない為、お客さんがワクワクしている姿を想像をして、タマサさん自身もワクワクしているとの事。
今までに数え切れない位沢山の限定を提供しているので、ここでは印象に残ったものを紹介させていただきます。
鯛のカルパッチョと生雲丹がのった海鮮系まぜそばで、生雲丹の旨味が凝縮された醤油味の奥深い味わいを楽しめる一杯でした。
本鮪の大トロカマと羅臼昆布のスープに、鮪の粗削り節を加えた贅沢な一杯でした。
伊予柑などの果物を餌に育てられたフルーツフィッシュ「柑橘ハマチ」を使用したという清湯系ラーメンで、ハマチの刺身ものったフルーティーな魚感満載の一杯でした。
現在「らーめん凛々」のレギュラーメニューとしても提供されている「カルピスバターまぜそば」の前身とも言えるもの。希少なカルピス発酵バターを使用した濃厚でまったりとした旨味と風味を感じさせながらも、しつこさや重さの無い後味のスッキリさを楽しめる最上級の味わいで、更にイクラまでのった堪らない一杯でした!
鶏と海老の旨味をふんだんに感じられる、日本人が喜ぶようなバランス感のトムヤムクンテイストな中華そばでした!
「マルソン」を語る上で外せないのが「スープ割り」。
「スープ割り」というと一般的には「つけ麺」で残ったつけ汁をスープで割って飲むものですが、こちらでは「つけ麺」だけでなく「ラーメン」でも「油そば」でも「スープ割り」をする事ができ、更にそのスープは日替わりで色々な味を提供。「スープ割り」をする事でデフォルトの味に変化をつけるだけで無く、日によって違う味を楽しむことも出来ます。
また、中華そば系の残ったスープを「カップ茶碗蒸し」という即席の「茶碗蒸し」として楽しむ事が出来るメニューが用意されているのも画期的!
不定期で提供される「Mの和え玉」は、ラーメンやつけ麺にプラスもうちょっと食べたい時の油そば的なもので、味わいはその時によって違うものが出て来ます。
「替え玉」に毛が生えた物程度に考えていると、予想以上に凝ったハイクオリティなものが出てくるので、かなりお得で嬉しい逸品!
常時用意されている訳ではありませんが、オープン当初から存在しているメニューが「杏仁豆腐」。
実はこの「杏仁豆腐」のファンも多く、私自身最初に魅かれたのはつけ麺では無くこの「杏仁豆腐」でした。
時には、稀少部位の贅沢な握り寿司が食べられることも!
「常に、お客さんが求めているものを提供出来るお店でいたいです。また、良い意味でお客さんを裏切るユニークな独創性のあるものを作り続けていきたいです。そして『あのお店に行けば笑顔になれる』『明日も頑張ろうってなれる』そんな誰からも愛されるラブ&ピースなお店にしたいです」というタマサさんの思いをしっかり感じ取れる居心地の良さと、楽しい気分にさせてくれるお店の雰囲気、変幻自在で楽しくなる限定メニュー、そしてオンリーワンな味わいを楽しめるレギュラーメニュー、全てにおいて他には無いオリジナリティを楽しめるオススメのお店です!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/mouson3)をご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
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