カシオが専用のモーションセンサーとG-SHOCKを発売
Runmetrixは両社による共創事業の第1弾として今春にサービスが始まる。カシオの樫尾氏は「元々人気の高かったヘルスケア・ウェルネスを目的としたウェアラブルデバイス市場が、昨年から新型コロナウィルス感染症の影響を受けて拡大しつつある」としながら、この時期に個人で安全に健康維持・増進に打ち込める「ランニング」に焦点を当てた新しいサービスをアシックスとともに開発した経緯を振り返った。
カシオから発売されるモーションセンサーにはGPSや9軸センサーが内蔵されている。本機を背中側の腰に装着して走ると、⾛⾏距離やペース、ピッチ、歩幅に加えて体幹の傾き、⾻盤の回転、接地衝撃などランニングフォームを詳しく解析するためのデータがアプリに蓄積される。
さらにRunmetrixはスマホアプリでランニングの記録をトラッキングしてデータ化できるだけでなく、ユーザーのレベルに合わせた専門性の高いパーソナルコーチングを提供するところに特徴がある。
スマホアプリに蓄積されたデータを元に走者のフォームをスコア化したり、3D画像を使って体の傾きや歪み、フォームの乱れを可視化。より快適に走ったり、あるいは好タイムを出すためにはどうすればよいか、アプリが改善点を指南してくれる。ユーザーが走る目的を登録しておけば、最適な練習プランやトレーニングメニューを自動作成してくれるリッチなパーソナライズ体験を実現した所に注目したい。
モーションセンサーはスポーツウェアのウェスト部分やポケットに挟んで装着できるように2段ロック機構付きのクリップ構造を採用。約40gの小型軽量なボディは、雨天時の使用や汗濡れにも耐えられるようにIPX7相当の防水仕様としている。
カシオからはこのモーションセンサーに加えて、RunmetrixオリジナルモデルとなるG-SHOCKのスポーツウォッチも発売する。本体にはGPSのほか、光学式の心拍センサーを内蔵。ボディは20気圧防水・耐衝撃構造とした。直射日光下でも視認性の高いMIP液晶ディスプレイを載せているので、ランニング時のピッチや歩幅、あるいは心拍数やスプリットタイムなど様々な情報をリアルタイムに確認できる。
Runmetrixはモーションセンサー単体でも利用できるので、ユーザーは現在愛用するウォッチを身に着けて楽しめる。G-SHOCKを合わせて使うと先述の心拍計測や情報のリアルタイムモニタリングが使えるほか、計測開始・一時停止の操作が手元で素速くできることなどがユーザーメリットとして加わってくる。
ユーザーはモーションセンサーを購入すればRunmetrixのサービスはアプリも含めて無料で使うことができる。アシックスでは今後、サービスのユーザーを増やして得たビッグデータを元に派生するサービスをさらに数多く揃えることも検討しているようだ。例えば有名トレーナーによるさらにリッチなパーソナルコーチングを有料で提供したり、短期間に最大の効果を得られる記録更新/ダイエット系のメニューなどがあれば人気を集めそうだ。